釈量子の宗教立国への道 [第2回] - 聖徳太子の精神 「和」とは、なあなあの妖怪的妥協の産物ではない

2024.06.27

2024年8月号記事

第2回

釈量子の宗教立国への道

幸福実現党党首が、大川隆法・党総裁による「新・日本国憲法 試案」の論点を紹介する。

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

「和」とは、なあなあの
妖怪的妥協の産物ではない

第一条①

 

NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」。幸福実現党でも政務調査の一環(?)か、政調会長や広報本部長が毎朝感想を語り合うのが恒例です。

戦争で夫を亡くした主人公・寅子が、焼き鳥を包んだ新聞紙で新憲法を目にし、「法の下の平等」を定めた第14条に感銘を受けて立ち上がるシーンは印象的でした。私も俳優さんの熱演を楽しみにしています。

ただ、占領下の憲法を「新時代の理想」として受け取るだけでは不十分です。なぜならこの憲法により、日本は「神なき民主主義」へと傾倒していくことになるからです。

1945年のポツダム宣言受諾をもって「天皇の政治から人民の政治へ」転換したとする「八月革命説」を説いたのが、東大名誉教授・宮澤俊義氏です。大川隆法・党総裁は、宮澤氏が死後、地獄に堕ちていることを霊査によって明らかにされています。

この戦後憲法成立の霊的背景を踏まえ、東大から流れ出る学問の闇を折破すべく研究を進めているのがハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)です。『世界を創りかえる新しい学問の創造』(HSU出版会編)に所収の、泉聡彦・未来創造学部ディーンの論考は東大憲法学の限界を指摘しています。是非お読みください。

とはいえ「神なき民主主義」の流れを引っ繰り返すには、戦前に戻せばいいわけではありません。明治時代の「廃仏毀釈」、天皇を立てた国家神道体制は、それまでの日本の背骨を取り去ってしまいました。

大川総裁は、日本が大戦で敗北した原因を「聖徳太子以来の国体に背いたことにある」と指摘されています(*1)。 日本で「保守」と呼ばれる政治勢力は、日本神道の民族的な思想の限界に直面していますが、幸福実現党は真実の日本の国体であった聖徳太子の精神を蘇らせ、日本を立て直すことで未来を拓かんとしているのです。

(*1)大川隆法著『救世の法』(幸福の科学出版)

聖徳太子の霊示による憲法試案

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『新・日本国憲法 試案』
大川隆法著
幸福の科学出版
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大川総裁は「新・日本国憲法試案」を2009年6月15日の夜、一時間ほどで書き下ろされました。聖徳太子の霊示で自動書記として「理念としてバシッと上から降りてきたもの」と語られています(*2)。宗教政党として、この尊さを魂で感じ取らねばならないでしょう。

では聖徳太子精神とは何か。

立宗直前の1986年に書き下ろされた『黄金の法』には、聖徳太子の政治について「日本の屋台骨をつくった偉大な如来」であり、その最大の功績は「仏教興隆」の役割とされています。弘法大師空海も日蓮聖人も敬慕してやまない「日本の釈迦」の精神性の高さが、わが国の誇りなのです。

(*2)大川隆法著『夢の創造』(HS政経塾刊)

新・日本国憲法 試案〔第一条〕

国民は、和を以て尊しとなし、
争うことなきを旨とせよ。
また、世界平和実現のため、
積極的にその建設に努力せよ。

日本の国是「和」は
貪・瞋・癡を去った「心の調和」

憲法試案〔第一条〕は、「国民は、和を以て尊しとなし、争うことなきを旨とせよ。」という、「十七条憲法」を彷彿とさせる一文に始まります。

この「和」について、ある保守系の識者は「日本は八百万の神々の国だから『和』なのだ」と解説していましたが、太子の「和」は、なあなあの日本的・妖怪的妥協の産物では断じてありません。

大川総裁は『黄金の法』でその真意を、掌を指すが如く明かされています。

第一条の『和を以て貴しと為し、忤ふこと無きを宗とせよ』という精神は、その後千数百年間、日本の国是となったかの観があるくらい定着したと言えます。(中略)聖徳太子の考えには、まず個人の心のなかにユートピアを建設し、しかる後に、国家全体をユートピア仏国土にしようとする発想があります

まず一人一人の心が自らの人生を変え、社会を変え、国家を変え、世界を変えていく──世界平和実現の原点が心であるならば、「和」とは「貪・瞋・癡」の欲望を去った「心の調和」のことでしょう。神仏と一体となって建設されるのが仏国土です。

既存政党がバラマキに血道をあげ、「欲望の民主主義」が蔓延し、地獄領域を拡大させるなか、この世の中を浄化するのは「執着を離れた人びと」です。「心から争いを去ることが大事だ。心から争いを去らねば、真の調和は生まれない」のです(*3)。

日本は仏教の地獄の思想を受け容れず、「死ねばみな仏」とする天台本覚思想の毒水も流れ、善悪の判断ができず、「空気の支配」で政治が漂流しています。聖徳太子精神の探究から、日本の未来は拓かれていくはずです。(続く)

(*3)大川隆法著『仏陀再誕』(幸福の科学出版)


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