「子ども 特別休暇」条例は 必要なのか? ─勤勉革命が道を拓く─

2022.10.27

写真提供:ピクスタ

2022年12月号記事

「子ども 特別休暇」条例は 必要なのか?

─勤勉革命が道を拓く─

東京・武蔵野市で、子供がいつでも自由に休めて出席扱いになる条例の制定が進む。子供にとって本当に幸せなのか。

吉祥寺の繁華街や井の頭恩賜公園を擁し、人気のある東京都武蔵野市。住宅情報サービス「SUUMO」を運営するリクルートが10月に発表した「住み続けたい街ランキング2022」(首都圏版)では、武蔵野市が2年連続で首位になった。

そんな武蔵野市が、来春にも市議会に、"怪しげ"な「子どもの権利に関する条例案」を提出しようとしている。

いつでも自由に休めて出席扱い!

同市の子どもの権利に関する条例検討委員会は10月、報告書を公表した。そこには補足意見として、子供は「自分を取り戻すため」などの理由から学校を休む権利があり、「休む権利の制度化=子ども特別休暇制度を設けることも考えられる」という議論があったと記されていた。

「子ども特別休暇」とは、どのような理由でも取得でき、学校も欠席扱いにならない休暇のこと。補足意見には、「日弁連(日本弁護士連合会)提案:年間 10日間程度」という文言もあった。

これは日本も批准した国連児童基金(ユニセフ)の「子どもの権利条約」31条の「休み、遊ぶ権利」を背景にしている。検討委の委員長を務める喜多明人・早稲田大学名誉教授は「子どもは、自分を取り戻すために休みたいのです。これは休息する権利にあたります」と主張する(*1)。

しかし住民からは「児童の学習の保証について考えなくてはならず、(中略)教員の多忙化につながる」「不登校のすすめのように取られかねない」などの意見が噴出している(*2)。ただ、こうした議論があることを知らない住民も多い。このままいけば、「子ども特別休暇」が盛り込まれた条例が制定される可能性が出てきたが、本当の意味で子供を幸せにするものなのだろうか。

(*1)9月25日とちぎ子どもの権利条約ネットワーク主催の講演。
(*2)武蔵野市の条例検討委に対するパブリックコメント。


─子ども特別休暇─

武蔵野市の次はこの自治体が危ない!?

東京都小金井市

● 東京都日野市

● 東京都杉並区

東京都世田谷区

東京都目黒区

神奈川県川崎市

● 神奈川県逗子市

長野県

愛知県知多市

● 大阪府豊中市 など

※赤色文字は、より可能性が高いと見られる自治体(編集部調べ)。

 

次ページからのポイント

教育評論家 森口 朗氏インタビュー

幸福実現党 釈 量子党首インタビュー

 

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