安倍首相の訪米を前に、サンフランシスコでは中華系・韓国系の団体による抗議活動が行われた。
(上)中国商工会議所で25日に行われた記者会見。(下)日本領事館前で28日に行われたデモ。

安倍晋三首相はアメリカ議会上下両院の合同会議で29日(日本時間30日)、日本の首相として初の演説を行った。安倍首相は、日米の戦後の和解をアピールするとともに、アジア太平洋地域の平和と繁栄に向けた日米両国の役割を謳い上げた。

演説の中では「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。これらの思いは歴代首相とまったく変わらない」と述べた。

「侵略」や「おわび」という言葉は使わず

今回の演説は、さまざまな圧力がかかる中、多方面に配慮したメッセージだと言える。首相が演説で「侵略」や「おわび」という言葉を使わなかったことは歓迎したいが、「痛切な反省」を表明し、歴代首相の歴史認識を継承する考えを示したことは残念だ。

安倍首相はさらに、会場に到着する直前に訪問した大戦の慰霊碑について、「深い悔悟を胸に(中略)、日本国と日本国民を代表し、先の戦争に倒れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げた」と述べた。これに対し共和党のベイナー下院議長は「戦死した(米国の)英雄に言及したことに、感謝している」と評価。

アジアの植民地を解放した日本

ベイナー議長の言葉からも分かるように、どの国でも、国を守るために戦った軍人は英雄だ。それは、先の大戦で戦った日本の軍人も同じはずだ。

大川隆法・幸福の科学総裁は、第二次大戦末期に激戦区となったペリリュー島の守備隊長を務めた中川州男(くにお)大佐と、沖縄戦の司令官を務めた牛島満中将の霊を招霊し、霊言を収録している。

中川大佐の霊は、戦闘のさなかの心境についてこう振り返った。

「憎しみでは戦えない。やっぱり、『われわれが一日持ち堪えることが、祖国への攻撃を一日遅らせることになるんだ。われわれが死ぬ代わりに、祖国の人たちが何千、何万と死ぬのを食い止めているんだ』という気持ちはあった」

また、沖縄戦司令官の牛島中将は、以下のように語った。

「『この国を終わらせてはならない!』っていう信念、この一つが私を戦いに赴かせたわけです。だから、この国の『国体』を維持できたということは、私としては、『何回死んでも、悔いがないものだ』と思っています」

日本の軍人たちは、利己心ではなく、国民のため、祖国のために命を投げ出して戦った。その結果として、欧米列強が推し進めていた帝国主義を食い止め、アジア諸国の植民地解放に貢献するという大きな使命を果たしたのだ。

正しい歴史観に基づいた反省から「未来志向」が生まれる

日本には、「敗軍の将は兵を語らず」という言葉に象徴されるように、負けたことを潔く認め、過去のことを弁解がましく言わない「武士道精神」がある。戦後、日本は米軍による原爆投下などの無差別攻撃に対して恨み心を持たず、未来志向で日米同盟を強化することで、発展を築いた。一方で中国や韓国は、誤った歴史を広めて謝罪や賠償を求め、日中関係や日韓関係を険悪なものにしている。

正しい反省は、物事を正しく見るところから始まる。国を守るために命がけで戦った先人を尊敬し、日本が戦ったことで、アジアの植民地支配の歴史がどう動いたのかを正しく評価すること。その上で歴史の中から教訓を見出すことが、本当の意味での「未来志向」だ。

安倍首相は、今夏に出す予定の新談話ではもう一段踏み込み、誤った歴史観に基づく河野・村山談話を白紙撤回し、正しい歴史観に立脚した日本の姿勢を国内外に堂々と示すべきだ。(真)

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