首里城

沖縄・首里城。

沖縄県知事選の投開票が16日行われ、前・那覇市長の翁長雄志氏が、現職の仲井真弘多氏をおさえて当選した。

今回の選挙は、米軍普天間基地の移設計画の賛否が最大の争点となっていたため、全国的に注目を集めていた。仲井真氏は辺野古への移設推進の立場だったが、翁長氏は辺野古への移設に反対し、米軍基地の県外移設を訴えていた。

辺野古への基地移設作業では、県の判断が求められる工事関連手続きの遅れも予想される。計画の進展に影響が出るかもしれない。

しかし、それ以上の懸念がある。この翁長氏が、沖縄の独立を訴える団体との交流を持っていることだ。

翁長氏が「旧・沖縄独立党」に弔電

弊誌記者は8月、日本からの「沖縄独立」を主張する政治団体「かりゆしクラブ」(旧名・沖縄独立党)の党首の妹・屋良光子氏が逝去したことで開催された、お別れ会に偶然、参加することになった。

那覇市壷屋にある同クラブの一室に、普天間基地の辺野古移設に反対する市民団体の幹部ら約15人が集まっていた。最初に、旧ソ連の国歌で、現在でも中国共産党の党大会で歌われている社会主義革命歌「インターナショナル」を合唱。その後、「沖縄が日本から独立すれば、日本経済の3分の1に当たる損害を与えることができる」といった議論が展開された。

会合の中盤には、同クラブの党首・屋良朝助氏が弔電を読み上げた。なんとその中に、次のようなものがあった。

「ご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。安らかにご永眠されますようお祈りいたします。那覇市長 翁長雄志」

この小さな会合にわざわざ弔電を送ってきた翁長氏。今回、沖縄県民は「琉球独立論者」を知事に据えてしまったのかもしれない。

翁長氏は習近平とも接点

翁長氏には、他にも「怪しい関係」が囁かれる人物がいる。

中国国家主席である習近平氏は、1985年から17年間、福建省の要職を務めていた。この頃、沖縄県と福建省は、経済交流を目的とするサミットを頻繁に開き、1994年から2001年までに7回を数えた。そこでは、習氏が演説することもあった。

一方、翁長氏は2001年、那覇の政財界人や久米崇聖会の会員などを含む150名の訪問団を結成し、「中国詣で」をし、05年には福建省福州市から「名誉市民」の称号を受けた。こうしたことから、地元では習氏と翁長氏の間に交流があることが疑われている。

沖縄独立の団体との交流と、中国との交流と――。2つの疑惑を結びつけたとき、今回の知事選で、沖縄が中国の属領化に一歩近づいたという見方もできる。辺野古移設の計画の遅れや、日米同盟の亀裂など、あらゆる角度からの警戒が必要になるかもしれない。

政権は振り回されず、移設を進めよ

安倍政権は、こうした状況を重く見たうえで、今回の知事選の結果に左右されず、早急に辺野古への移設を進めるべきだ。

沖縄という、日本の国防上重要な地点に米軍基地があることで、中国や北朝鮮は日本に簡単に手を出せない。もし、沖縄から米軍が出て行ったり、沖縄が独立したりすることがあれば、入って来るのは中国だ。中国は近年、「琉球は中国領」との主張を強めている。

中国に併合された、チベットやウイグルなどの自治区では、例外なく悲惨な言論弾圧・人権抑圧が行われている。現状を考えれば、日本のためにも、沖縄のためにも、沖縄に米軍は必要だ。(光)

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