2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授(所長)が、2000年に発表した論文に不自然な画像や図表があるという指摘に対して、28日、会見を開いて釈明した。事の発端は、小保方晴子氏のSTAP細胞の論文に対するものと同じように、インターネット上の匿名告発サイトだった。

同研究所のホームページなどによれば、山中氏の論文に掲載された画像に「切り貼り」が疑われたほか、図表のデータで、実験結果のばらつきを示す標準偏差値が、結果の異なるすべてのサンプルで似ていることが不自然と指摘された。

だが山中氏は会見で、画像の切り貼りやデータ捏造を否定。「研究結果は複数の研究者により再現されている」ことを挙げ、「論文内容については一点の曇りもない」と断じた。論文の調査を行った同研究所も、論文内容が正しいことに疑いの余地はないとしている。

一方、山中氏の論文の図表の元になった生データが見つかっていないことについて、同研究所は「遺憾」を表明。山中氏は、実験を手伝っていた当時の共同研究者の実験ノートを保存しておらず、現在も連絡が取れないと説明。「心より反省し、おわび申し上げます」と、頭を下げた。

最近、科学者の論文に対して、厳しい目が向けられているが、今回、山中氏は、記者会見を開いて謝罪するようなことを行ったとは言えない。「(研究の)本質以外で騒がれることは科学界にとってマイナス」(神戸大学の森井昌克教授・28日付産経新聞)との指摘もある。

25日には、小保方氏の論文を「不正」とした理化学研究所の調査委員長の石井俊輔氏が、過去の自身の論文の不備で委員長を辞任したが、石井氏のケースも辞任するようなレベルのものではなかった。そもそも、小保方氏の論文自体、マスコミが大騒ぎするような「不正」ではないのだ。

一連の「論文騒ぎ」を振り返ると、小保方氏の論文にケチをつけたのは、海外の論文検証サイトであり、石井氏の際もインターネット上での指摘。山中氏については、日本語の告発ブログだった。いずれも、匿名によるものだ。こうしたネット情報に、マスコミが踊らされ、「ミス」「取り違い」を「改ざん」「ねつ造」と騒ぎ立てているのが現状である。

もちろん、こうしたところから不正が暴かれることもあるだろうが、「トイレの落書き」に類するような指摘に対して、一流の研究者たちがその都度、説明・釈明しなければいけないのだろうか。そうだとすれば、科学の進歩は著しく遅れてしまう。

さらに言えば、あらゆる分野でこうした「手法」が使われ、もしそれが、日本社会を意図的に混乱させようとする勢力によるものであったときに、人々がその情報に振り回されてしまえば、社会は大混乱に陥るだろう。

マスコミは、顔が見えない、言いっぱなしの無責任な匿名情報に翻弄されることなく、「何が正しいか」を見極めるべきだ。(晴)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『小保方晴子さん守護霊インタビュー それでも「STAP細胞」は存在する』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『「嫉妬・老害・ノーベル賞の三角関数」守護霊を認めない理研・野依良治理事長の守護霊による、STAP細胞潰し霊言』 大川隆法著

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