76人の命を奪っても死刑にならないことを、正義の観点から、あなたはどう思うだろうか。

26日付米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン掲載の、法律学者Rosenbaumの論考より。

  • ノルウェーは最大の道徳的難題に直面している。大部分が若者である76人の命を奪ったブレイビク容疑者をいかに裁くべきか。ノルウェーでは死刑制度がなく、殺人の最高刑は禁錮21年だ。
  • 法律の定める正義はしばしば不完全であるため、法を超えた報復感情が必ずしも正義に反するとはいえない。あらゆる法律は「正しさ」の感覚にかなっている必要があり、一方で報復の程度は罪につり合っている必要がある。これが聖書の「目には目を」という言葉の意味だ。
  • 今回のような最悪の犯罪では、多くの国の国民が死刑制度を支持している。ノルウェーも検討すべきだろう。

一方、同日付の朝日新聞は「厳罰化の動き、懸念の声も」との見出しで、死刑導入は望ましくないと匂わせる。

  • 76人が犠牲になったノルウェーでは厳罰化を求める声が出ているが、誇りにしてきた「開かれた寛容社会」に逆行しかねないだけに戸惑いも聞かれる。
  • 容疑者と接見した弁護士は、彼が事件直前に何らかの薬物を服用していたことを公表。「正気には見えない」として責任能力を争う可能性を示した。
  • ストルテンベルグ首相は記者会見で「開かれた社会と治安対策は両立できる」と述べ、厳罰化を求める動きを牽制した。

ちなみに幸福の科学の大川隆法総裁は、こう説いている。「死刑を霊的な視点で捉えることも必要です。この世で犯罪行為によって人殺しをした場合には、死後、地獄界に行くことになると思いますが、死刑になることによって、いわば借金の一部が払われた状態になることもあります。『犯罪者であっても、この世で罪の代償を払うことによって、来世での罪が多少なりとも軽くなる』という現実があるのです」(『真実への目覚め』)

人間は死ねば終わりではなく、あの世では善悪の代償をごまかすことはできない。死刑の賛否を論ずるには、本来この霊的真実を踏まえる必要がある。(司)