《ニュース》

カンボジアなど東南アジアを拠点とした特殊詐欺被害が国際問題化する中、カンボジア政府は、日本人を含む約3万人を拘束し、「大規模な詐欺拠点については全て排除した」として取り締まりの成果を強調しています。

《詳細》

カンボジア政府は、2025年7月から2026年8月20日までに、オンライン詐欺への関与が疑われる793カ所の拠点を調査し、うち624カ所を摘発したと発表しました。拘束者は日本を含む39カ国の約3万人に上るとしています。

オンライン詐欺対策を担当するチャイ・シナレス上級相は「大規模な詐欺活動は完全に抑え込み、国内にオンライン詐欺拠点となる施設は残っていない」としました。

オンライン詐欺拠点は近年、国際的に被害が拡大し続ける詐欺の活動の拠点として問題視されてきました。日本では、2025年の「特殊詐欺」と「投資・ロマンス詐欺」の合計被害額が過去最悪の3241億円に上り、前年比1.6倍に増えています。また、日本人の若者が、「電話をかける仕事」などと勧誘されてカンボジアに連れていかれ、監禁状態で特殊詐欺に従事させられるケースも相次いでいます。

こうした中、「オンライン詐欺対策に関する国際会議」が9月23~24日に同国の首都プノンペンで開催される予定で、同国はその前に目に見える成果を強調した形です。

しかし、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは調査で、特定された詐欺拠点が2026年4月時点で86カ所と、1年前の53カ所からむしろ増えていると指摘。そのうち、2025年7月以降に当局の取り締まりの痕跡が確認できたのは24カ所にとどまり、うち3カ所では取り締まり後も、詐欺に従事させられている強制労働者らへの虐待が続いていたといいます。

また、大型拠点の摘発後、犯罪組織は活動場所をゲストハウスやマンション、賃貸住宅、カフェ、車などに移し、小規模・分散型に切り替えており、当局による特定が困難になっています。カンボジア政府と繋がりのある実業家らが詐欺行為やその温床となっている人身売買に関与して利益を得ている疑いもあり、単に拠点を閉鎖するだけでは特殊詐欺ネットワークを根本的に解体することはできないと指摘されています。

さらに見逃してはならないのは、それらの詐欺拠点を足場に東南アジア全域に勢力を拡大し、「一帯一路」を推進しようとしている中国の存在です。

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