《ニュース》
陸上自衛隊において、中国系ウイルスに感染したUSBメモリーが機密システム端末で1年近くにわたって使用されていたことが明らかになりました(25日付日本経済新聞電子版)。尾崎正直官房副長官も同日の記者会見で、その事実を認めています。
《詳細》
日本経済新聞によると、陸自・中部方面総監部(兵庫県伊丹市)で2025年2月、動作が遅くなったパソコンに差し込まれていたUSBから中国系ウイルスが見つかりました。
内部調査の結果、USBは中国製の偽造品であることが発覚。USB8本のうち、6本でウイルスの感染が見つかり、総監部にある約480台のパソコンのうち、50台以上に接続されていたことが分かりました。そのパソコンの半数近くは、部隊の指揮命令など極秘情報を扱う「クローズ系」システムに接続されていたといいます。
さらにそのウイルスは、これまでにも中国系ハッカー集団が使っていたことが指摘されているものでした。このハッカー集団は過去に、ベトナムやオーストラリアなどの国々で、政府機関、教育機関、通信会社などを標的としてきました。ウイルスはUSBを差し込んだ瞬間に感染するといい、USBをサイバー攻撃を呼び込む「踏み台」として悪用し、情報を盗み取る手口が明らかとなっています。
中部方面総監部は能登半島地震の災害派遣をめぐり、石川県から24年3月にこれらのUSBを受け取りました。陸自は通常、調達時やパソコン使用時にウイルスチェックを行うなど、何重にも安全確認をしていますが、本件ではこの規則が遵守されず、USBをチェックしていなかったため、使用開始から1年近くウイルスの存在に気づかなかったといいます。
また自衛隊の内部文書は、同種の中国製USBが「国内外含む電子商取引(EC)サイトを通じて広く流通しているもよう」と指摘。陸自で問題となったUSBを含む多くの類似品が、Amazonや楽天などのネット通販サイトを通じ、相場の半額近い価格で売られています。
自衛隊にUSBを提供した石川県側は、「当該USBを調達した事実や、購入費を支払った記録は確認できなかった」としており、感染USBを誰がどこで調達したのかは確認できず、実態が把握できない状況にあります。
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