アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
台湾の頼清徳総統は2024年10月10日、「双十節」の式典で演説し、中台関係について「中華人民共和国には台湾を代表する権利はない」と表明した(*1)。また、「中華民国はすでに台澎金馬(台湾本島と各離島)に根を下ろしている」と述べ、「中国と台湾は互いに隷属しない」と重ねて強調した。
(*1)2024年10月10日付『梅花新聞網』
頼清徳演説に軍事演習で警告
頼清徳演説を受け、その4日後の未明、中国軍東部戦区は台湾全島を対象とした軍事演習「連合利剣-2024B」を実施すると発表した(*2)。これは、5月20日、頼清徳が総統に就任して以来、中国軍が台湾周辺で行った2回目の軍事演習だった。
演習の焦点は、海空戦闘態勢の警察哨戒、基隆、高雄、花蓮等の重要港湾の封鎖と制圧、台湾への陸と海に対する攻撃、完全な台湾支配権の掌握などである。
台湾の国立政治大学国際関係センターの王信賢センター長代理は、この軍事演習の範囲は5月の演習(連合利剣‐2024A)よりも台湾本島に近く、基本的に(台湾海峡の)中心線を越えていると語った。