2023年10月号記事

Pick Up Movie

編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」

2010年

映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」
発売元:セディックインターナショナル/ジェイ・ドリーム
販売元:TCエンタテインメント
© 2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト製作委員会

 

可能性を、本物の希望に変える宿命の艦

【スタッフ】
監督:山崎貴
【キャスト】
出演:木村拓哉、黒木メイサ、柳葉敏郎、緒形直人、池内博之、マイコ、堤真一、高島礼子、橋爪功、西田敏行、山崎努 ほか

 

【レビュー】

1974年に始まるシリーズ作品『宇宙戦艦ヤマト』を実写化したのが本作。「無限に広がる大宇宙。静寂な光に満ちた世界」。原作と同じ、あの有名なナレーションが流れ、やがて"赤い星"地球が現われる。佐藤直紀氏の編曲による音楽と共に、原作以上の衝撃を与えながら物語は始まる。

西暦2199年。謎の異星人「ガミラス」の遊星爆弾によって地球の海は消失。高濃度の放射線に汚染され、地上の生命は死滅した。人類は人口の大半を失い、地下都市を築いて辛うじて生き延びていたが、汚染は地下にも及び、人類滅亡まで最大1年と迫っていた。

さらに、ガミラスとの最終決戦に臨んだ防衛艦隊は壊滅。地球に帰還できたのは、艦隊司令・沖田が乗る旗艦1隻のみだった。

決戦の数日後、地球に謎の宇宙船が落下。サルベージ業者の古代進によってメッセージカプセルが回収された。カプセルには超光速機関の設計図と、大マゼランにある惑星の座標の"2つ"が記されていた。防衛本部は、惑星"イスカンダル"が"放射能除去装置"を提供する意思があると発表。そして、最後の宇宙戦艦である「ヤマト」の派遣を決定した。

かつて軍のエースパイロットだった古代も戦闘指揮官として乗艦。14万8千光年の航海と壮絶な戦いの果てに、"イスカンダル"の衝撃的な真実を知ることになる……。

原作とは大きく異なる「放射能除去装置」。その真実と沖田艦長の秘めたる"賭け"は、物語の悲壮感を原作以上に際立たせている。また、複数の旧作を取り込んで描く古代の成長過程も、観る人を惹き込んでやまない。

古代は沖田の"冷徹さ"を憎んでいたが、艦長代理着任後、沖田と同じ非情な決断に何度も迫られていく。そして、沖田の"賭け"をも託され、数多くの犠牲を払いながら使命を遂行していく。指揮官としての厳しい重圧を知った古代が、「可能性を、本物の希望に変えよう!」と語るシーンは、本作最高の場面の1つに違いない。

 

ザ・リバティWeb シネマレビュー

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」

(星4.5。満点は5つ)