デジタル庁が入居する東京ガーデンテラス紀尾井町(画像:Edomura no Tokuzo/Wikipedia)。

《ニュース》

政府系ITインフラを担っている主要企業の相次ぐトラブルが、波紋を呼んでいます。

総務省は6月30日、政府機関や多くの大企業が利用しているシステムを提供していた富士通に対して、サイバー攻撃への対策がずさんであるとして、異例の行政指導を行ったと報じられました。

また同日、富士通はマイナンバーカードを使って証明書を交付するサービスで、別人の住民票の写しが誤って発行されるトラブルが再発したことを発表。同社の子会社「富士通Japan」のシステムを利用する自治体で、サービスを点検のため順次停止するとのことです。

《詳細》

富士通は昨年12月、法人向けのインターネット回線サービス「フェニックス」で不正な通信を確認したと発表しました。京セラ、東京海上日動火災保険などの大手企業や、政府の複数省庁が被害に遭い、約1700の機関が電子メールデータの漏洩など、影響を受けたと報じられています。

政府も利用する同社の別のクラウドサービスも、21年以降、2回以上の攻撃を受けたといいます。

総務省によると、富士通社内の管理体制がずさんであり、セキュリティーに関する経営層の積極的な関与もなく、会社側も警察に指摘されるまで8カ月にわたって被害に気づいていなかったとして、事態を重く見たといいます。

また過去3回の攻撃はいずれも、中国政府系のハッカー集団の関与が疑われています。同社は政府機関や重要インフラを含む多くのシステムの開発を行っており、このままでは安全保障リスクにもつながると判断されたと見られます。

時を同じくして富士通は6月29日、福岡県宗像市で庁舎内の証明書発行システムを利用した女性に、別の男性の住民票の写しが発行されたことを発表しました。このシステムではこれまでもコンビニなどでの誤発行が相次いでいたため、サービスを 一時停止して総点検し、18日に再開したばかりでした。

《どう見るか》