2023年5月号記事

ロックフェラーの改心

格差是正が叫ばれる昨今、自助努力や騎士道精神が忘れられつつある。
こうした時代にこそ資本主義を体現し、富を人類のために活かし切った偉人の人生を振り返ってみたい。

ジョン・D・ロックフェラーは1839年、ニューヨーク州リッチフォードの貧しい家庭に生まれた。商業学校で簿記などを学ぶと、オハイオ州クリーブランドにある農産物仲買商に雇われ、会計係となった。その後、19歳の若さで仲間と起業し、穀物や水産物などの取引を始める。

石油事業に人生を賭ける

1859年には、ペンシルベニア州で石油が発見され、同州北西部に一攫千金を狙う採掘者が集まっていた。

石油ブームの中でロックフェラーは、収益を上げるカギが「精製」にあると見抜き、63年にクリーブランドで製油業を開始。地方の採掘者と都市部の消費者の両方を潤わせていった。

このビジネスの将来性に気づくと、借金をして製油業に大規模投資をしようとした。しかし、パートナーが尻込みしたので、会社の株を競売にかけ、25歳で製油業を引き継いだ。

ここが人生の最大の分かれ目になり、その後に激しい市場競争に突入していく。

 

次ページからのポイント

人々の怨嗟の的となった「石油王」

ロックフェラーに訪れた改心の時

組織化された合理的な慈善事業