2019年11月、ブラジルの首都ブラジリアで行われた歓迎セレモニーで手を振るプーチン露大統領と中国の習近平国家主席(画像:Salma Bashir Motiwala / Shutterstock.com)。

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ロシアの首都モスクワを公式訪問していた中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は20~22日に会談を行い、ロシア―ウクライナ戦争やエネルギーを含めた経済、軍事技術の協力などについて協議し、両国の協力強化を確認しました。

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20日の会談で両氏は、ウクライナ戦争をめぐる問題について集中的に協議し、習氏は2月に発表した仲裁案について説明しました。

習氏が示した仲裁案は、「各国の主権尊重、冷戦思考の放棄、停戦、和平交渉の開始、人道的危機の解決、民間人と捕虜の保護、原子力発電所の安全擁護、戦略的リスクの削減、食糧国外輸送の保障、一方的制裁の停止、産業・サプライチェーンの安定確保、戦後復興の推進」の12項目からなります。ウクライナ側が求める露軍の全面撤退や全領土の返還については言及がありません。

プーチン氏は21日の会談後に、「中国の和平計画は、欧米とウクライナが参加する用意を示した時、ウクライナ問題の平和的解決の基礎になりうる」「(だが欧米とウクライナには)そうした用意はまだ見えない」と指摘しました。

また、両氏は21日の会談後、「包括的パートナー関係と戦略的協力の深化」と「2030年までの中露経済協力計画」の2つの共同声明を発表。米欧中心ではない「多極的な世界秩序」の形成に向け、戦略的パートナーシップを強化し、貿易拡大や資源エネルギーなど、さまざまな分野で協力拡大を目指すことを確認しました。

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