《ニュース》

2022年11月に国土交通省関東運輸局が東京23区などのタクシー運賃の値上げを行ったことについて、東京地裁はタクシー会社2社への値上げの強制を一時的に差し止める決定を出しました。

《詳細》

タクシー料金は、上限と下限を設定する公定幅運賃制度で決まります。22年11月には、23区と東京都三鷹市、武蔵野市のタクシー料金について、燃料費高騰などを理由に運賃改定の要請が行われていたため、2007年に設定した「上限420円、下限390円」から、「上限500円、下限470円」へと引き上げられました。

そうした中、タクシー会社のロイヤルリムジンとジャパンプレミアム東京の2社は、「大幅な値上げで、固定客の予約減少につながる恐れがある」として初乗り料金420円を維持していました。すると12月に運輸局から是正指導を受け、運賃変更命令や事業許可取り消し処分を受ける恐れが出ていました。そこで、値上げをしなくても事業停止などの処分をしないよう求めた行政訴訟を行っていました。

東京地裁は、国が運賃幅を決めるのは過当競争を避けるためだが、タクシーの供給不足も見受けられる中、十分に考慮せずに値上げを決めたと指摘。「会社の経営状況に関係なく、一律に相当の値上げを余儀なくするもので合理性に欠ける」として、関東運輸局長の処分に「裁量権の逸脱や乱用があると一応認められる」と判断。一審判決が出るまで、2社への処分を仮に差し止めました。

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