《ニュース》

ロシア―ウクライナ戦争が10カ月を超えて続き、多くの国が物価高や食糧不足に苦しんでいます。国際情勢を見る限り、2023年の展望も明るいとは言えません。

そうした中、元民主党米下院議員でありながら10月に離党を公表したトゥルシー・ギャバード(Tulsi Gabbard)氏が、アメリカ国民に向けて非常に宗教的なメッセージを投げかけ、話題を呼んでいます(離党については、本欄「『民主党は神から与えられた自由を傷つけている』 有力大統領候補者と報じられた元民主党下院議員が離党を公表」参照)。

《詳細》

ギャバード氏は28日、FOXニュースのタッカー・カールソン氏による人気番組で、「大切なのは、常に希望があると知ることです」と語りかけました。

同氏は希望を失わず前進することの大切さについて、このように語ります。

「その本質が愛である神が存在する限り、必ず希望があります。そして神は永遠に存在しますから、いつまでも希望が存在するのです。神の愛は、私たち一人ひとりの心をつなぐ光です」

「経歴や政治状況にかかわらず、神の子である全ての人々は一体となり、分断を癒すことができるのです」

「憎しみをもって、憎しみを追い払うことはできません。愛のみがそれを可能とするのです。愛は最も強力なものです。(中略)私たちに、行動を起こし、正しいもののために立ち上がり、自由と愛する人々のために戦う動機を与える力です」

これは、バイデン政権のあり方に対する苦言でもあるでしょう。

バイデン氏は「分断を癒す」と声高に叫んで当選しながら、トランプ支持者など自身とは主張の違う人々に「ファシズムのよう」とレッテル張りをするなど、「等しく神に創られた同胞」への扱いとは言えない攻撃的な仕打ちを繰り返しています。政権が対立陣営に対して捜査権をらん用しているという指摘も、広くなされています。

一連の発言に先立つ13日にも、ギャバード氏は自身の番組にカールソン氏を招待し、宗教的・思想的な対話を交わしました。ギャバード氏はヒンドゥー教の信仰を、カールソン氏はプロテスタントの信仰を持っていると明らかにしています。

カールソン氏が、「死を認識することは、知恵(wisdom)の始まりだからね」「僕は、死ぬことを認識している人の方が、より幸せで明るいように思うんだ。あらゆる生き物が死を内包しており、何人もそれを避けられないということを否定していないから」と語ると、ギャバード氏も同意。次のように返しています。

「多くの人が死を認識し、死について語ることを恐れていますね。まるでタブーの話題かのように」「人は必ず死ぬという現実を認識すること、人生とは、『この時、この場所、この年齢で』と時計を設定するようにはいかないと知ること、それによって人生がどれほどかけがえのないものかが分かる」

いかなる人間も必ず死ぬことになっており、誰一人それをコントロールすることはできない。この事実を知るということが、ギャバード氏にとっても、カールソン氏にとっても、非常に大きな意味を持つようです。

カールソン氏は自身の番組内で、人々への支配を強め「神になろうとしている」かのような人々を鋭く批判していますが、これについて同氏はこう述べます。

「もし世界が二つのグループに分けられたとしたら。クリスチャンとかユダヤ教徒とかイスラム教徒とかヒンドゥー教徒とか、そういう分別じゃなくてね。二つのグループに分けられたら、それは、『自分たちが神だと思っている人』と、『そうではないと知っている人』になると思うんだ。これが、僕にとっての二つのカテゴリーなんだよ。僕は、『自分が神ではないと知っている』側にいるよ」

ギャバード氏は、「私たちは二人ともそうね」と同意した上で、「私たちが社会で直面している問題も、すべてがこれに尽きる」としています。

同氏は「自分たちが神であり、物事を支配できると思う人々」は、「『自分の人生の目的は何か』といった、極めて重要な疑問について、少しの時間すら考えることを拒否している」ために、金銭や権力、人々からの注目など「間違ったもの」を追い求めていると語りました。

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