《ニュース》

ロシア―ウクライナ戦争が9カ月を超える中、このままでは中国による台湾侵攻に対応できないという懸念の声が、米国内で再度高まっています。

上院議員のジョシュ・ホーリー氏(共和党)はこのほど、バイデン政権のアントニー・ブリンケン国務長官に向けて書簡を送付。ウクライナへの支援よりも、台湾への武器提供を進めるべきだと訴えました。

《詳細》

11月27日には、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、ロシア―ウクライナ戦争の影響により、アメリカが台湾に供給予定だった兵器のうち、まだ契約が完了できていないものが実に約190億ドル(約2兆6400億円)分あると報じています。

一連の報道を受けホーリー氏は、「中国による侵攻を防ぐために必要な武器を台湾に提供することによってアジアにおける戦争を防ぐ、という我々の能力に妨げが生じている」という懸念を書簡に記し、「アメリカの国益にとって、ウクライナより台湾の方が重要であるということを、我々は明確にすべきだ」とし、以下のように警鐘を鳴らしています。

「台湾の掌握は中国政府にとって、インド太平洋地域支配に向けた次なるステップだ。(中略)中国による現実の増大する脅威を回避するには、台湾が非対称防衛に取り組み、自国の防衛費を大幅に増やし、必要な防衛改革を進めることを前提として、我々は、台湾が自国防衛に必要とする兵器の納入を早める必要がある。

しかしながら、あなたの政権はその逆を行っている。アジアにおける極めて重要な安全保障上の利益よりも、ウクライナへの武器を優先させているのだ」

ホーリー氏は、中国の台湾侵攻が早まる危険性が指摘されていることに言及。バイデン政権が台湾よりウクライナを優先させている現状をめぐって質問を明記し、書面による回答を求めています。

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