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ウクライナへの軍事支援で弾薬が枯渇しているドイツは、中国製部品の輸入に時間がかかるため、ドイツ国内で批判が巻き起こっている弾薬不足問題が悪化する可能性があると、独紙「ディ・ウェルト」がこのほど報じました。

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同紙によると、ドイツ軍の弾薬の在庫は秘密ではあるものの、「戦争が起きた場合、数時間か、せいぜい数日しか在庫が持たないものもあるだろう」と推測されているといいます。ドイツは生産を拡大して弾薬を補給するつもりですが、ここに来てボトルネックが生じているようです。

一つの問題は、弾薬を製造する企業に対し、ウクライナに武器を供給した国からの発注が殺到しており、ドイツはその競争に出遅れ、すぐに補充できない現状が起きていることです。

もう一つは、欧州の弾薬製造企業の大半が、銃弾や砲弾に使用する「コットンリンター」と呼ばれる部品の供給先が「中国」であることです。つまり、中国が増産しなければ、欧州の弾不足はすぐに解消できないという問題に直面しているのです。

さらに「ディ・ウェルト」紙によれば、中国資本に買収された火薬製造会社が、欧米の弾薬メーカーに供給しなくなった例もあり、中国の存在が欧州の弾薬問題に影響していることが明らかとなりました。

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