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中国国営中央テレビは15日、習近平国家主席が12~15日の4日間、新疆ウイグル自治区を視察したと伝えました。

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習氏が新疆を訪問するのは約8年ぶりになります。前回の視察の際には、爆発事件が発生し、その後のウイグル族などの少数民族への統制強化につながりました。習政権の長期化を目指す今秋の共産党大会を前に、自らが訪問することによって統治の安定を「成果」としてアピールする狙いがあると見られています。

習氏は新疆大学のほか、住民が暮らす地区や博物館、世界文化遺産などを視察。少数民族の住民が95%超を占める区都ウルムチ市の居住地域を訪れ、「新疆の各民族は、中華民族大家庭に不可欠なメンバーだ」と強調し、「各民族の生活をさらに幸福にする必要がある」などと語りました。

さらに中国政府は、新疆で経済的な発展が進んでいるとし、共産党の指導下で進める統治の正当性を主張。習氏は中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」の拠点を視察した際、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の推進により、「新彊が閉じ込められた内陸から対外開放の前線に変わった」としました。

中央テレビは、ウイグル族をはじめ少数民族の住民が時折涙を流しながら習氏の話に耳を傾ける様子を放映。習氏が新疆を離れる際には「各民族の人々が熱烈に見送った」と報じました。

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