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国際エネルギー機関(IEA)はこのほど、各国政府が目標に据える二酸化炭素の削減目標のためには、世界の原子力発電能力を現在の2倍近くに引き上げる必要があるとの報告書を発表しました。

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報告書では、原子力発電能力を今年初めの413ギガワットから、2050年までに812ギガワットにまで高める必要があるとしています。30年代では、毎年27ギガワットずつ増やしていかなければならないとしました。

さらに、IEAは「持続可能でクリーンなエネルギーシステムの構築は、原子力ではより難しく、よりリスクが高く、より高価になる」と指摘。「今世紀半ばまでの二酸化炭素の排出量削減の半分が、まだ商業的に実現可能ではない技術に頼らなければならないものである」との認識を示しました。

一方で、現在、世界の原発の63%に当たる約260ギガワット相当の発電所が運転開始から30年以上経過しており、当初運転認可の終了が近づいています。過去3年間、世界の原発の約10%について運転寿命を延ばす動きがあったものの、先進国の原発は30年までに3分の1に縮小する可能性も指摘されています。

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