《ニュース》

6月下旬という極めて異例の速さの梅雨明けにより、降水量が少ない中、全国各地のダムの貯水率が低下しており、西日本各地を中心に水不足に直面しています。

《詳細》

福岡県では、行橋市と苅田町の水源となる油木ダムの貯水率が20%と平年を大きく下回っており、7月中に渇水する恐れがあるとして給水の圧力を下げる措置を取っています。

愛媛県では、四国中央市の銅山川3ダムの貯水率が17.4%となり、工業用水35%、上水10%、農業用水5%の取水制限が課せられています。追加の対策をせず、このまま雨が降らない状態が続けば、7月下旬には貯水率がゼロになるとの試算も出ています。

香川県の水道用水の45%をまかなう高知県の早明浦ダムは、貯水率が30%を下回る見通しのため、香川用水への水の供給量を50%カットする第3次取水制限を2日に開始。三豊市にある調整池の宝山湖からの取水や、21年に高松市に完成した椛川(かばがわ)ダムの水も活用します。

岡山県では、旭川ダムの貯水量が6月30日時点で29.2%まで減っているため、4日から上水道と工業用水を10%、農業用水を30%カットする取水制限を始めます。地元では、「(稲が)干上がって枯れてしまうと終わり。お天道様が相手ですから」「とにかく恵みの雨がほしい」(30日付RSK山陽放送)など、切実な声が上がっています。

気象庁は6月30日発表の1カ月予報で、西日本の降水量について、平年並みか、平年より少ない見込みと予報。特に7月の初めは降水量の少ない状態が続くところがある見込みとしています。

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