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東京五輪出場選手のコロナ陽性が確認される中、日本政府が開催を強行することに対し、国際的な懸念が一段と高まっています。

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米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は21日、菅義偉首相へのインタビュー記事、「五輪開催でも日本は安全 菅首相、WSJに語る 日本のコロナ感染率は欧米に比べて低く、開催の『準備はできている』」を電子版で公開。マスク着用やワクチン接種など感染対策の徹底により、五輪を安全に開催できるという菅氏の論を掲載しました。

一方で同日、菅氏の取材内容を受ける形で、五輪強行開催がパンデミックの引き金になる可能性について懸念を示す記事もあわせて公開しています(電子版)。

「東京五輪、2兆円規模の大失敗に 経済効果と世界の評価を期待した日本、コロナ下の開催に国民の不満強く」と題した同記事は、すでに五輪による経済効果は薄く、大多数の日本人が五輪開催に不満を持っていることに言及。

菅氏が再選するには安倍晋三前首相による支持が不可欠であり、そのため五輪中止に踏み込めないとする日本人政治学者の論を紹介した上で、東京五輪が「新型コロナのスーパースプレッダーイベント」となれば、被害は五輪による限定的な経済損失だけで終わらず、「日本の景気回復への道のりはさらに長くなり、はるかに多くの支出を要する」と結んでいます。

これに先立ち同紙は19日にも、「東京五輪に暗い影を落とすウィルス」と題し、大会関係者が次々と陽性確認されていることを一面で報道(インターナショナル版)。さらなる感染拡大の危険性に言及しています。

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