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滋賀県大津市で、自殺した中学2年の男子生徒が当時の同級生を訴えた裁判について、賠償命令が確定し、最高裁は同級生二人の賠償額を400万円としました。

《詳細》

被害生徒の両親は、元同級生側と市に約7700万円の賠償を求めて提訴していました。1審の大津地方裁判所は2019年、自殺は暴力などによるいじめが原因だったと認め、同級生2人に3750万円ほどの賠償を命じる判決を下しました。

ただ、2審の大阪高等裁判所は2020年、生徒の自殺の原因はいじめと認めた上で、男子生徒が自ら自殺を選んだことで過失を相殺。さらに「両親が離婚しており、精神的に支えられなかったこと」を相殺条項として挙げ、大津市と遺族側が和解し、1300万円を支払った点などを考慮するとして、同級生2人の賠償額を400万円としていました。

両親は上告していましたが、最高裁は今回、上告を退ける決定をし、2審の判決が確定しました。

記者会見を行った父親は「いじめは相手を自殺に追い込む危険な行為だと司法が判断したが、9年3カ月前はそうは考えられていなかった」とし、判決がいじめ問題の解決に繋がっていくことを祈る、と話しています。

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