《ニュース》

米上院外交委員会は18日(現地時間)、「米欧間における具体的な対中協力計画」と題した文書を公表し、中国の脅威に対抗するため、ヨーロッパ諸国と連携強化をすべきであると訴えました。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が同委員会の委員長を務めるジム・リッシュ氏(共和党)に独占インタビューを行い、スクープとして報じています(19日付2面)。

《詳細》

120ページ以上にわたる文書の冒頭には、リッシュ氏による議員への送付状が付されており、そこには世界各国の経済や安全保障、国家運営を危うくしている中国に対抗するため、「米欧が一丸となって働きかけねばならない」と書かれています。

文書の公表に伴い、リッシュ氏はオンライン上でイベントを開催。欧州議会のデビッド・マカリスター議員および英下院外交委員会のトム・トゥゲンハット委員長と共に、連盟の重要性を強調しました。

実はこれと連動するように17日、米オンラインメディア「アクシオス(AXIOS)」が米国務省の対中外交方針に関する新たな文書のコピーを入手し、スクープしています(その後、国務省が公式に公表)。

「中国による挑戦の要素」と題した同文書は74ページに及び、独裁主義的な超大国として台頭する中国に対し、アメリカが今後どのような戦略をとるかを示しています。以下は、要約(Executive Summary)の一部抜粋です。

「中国共産党が大国間競争の新時代の引き金を引いたという認識が、アメリカおよび世界各国で高まっています」

「中国共産党は、自由で主権のある国民国家に基づき、アメリカが建国の基盤にした普遍的な原則に由来し、かつアメリカの国益を増進させるという、すでに確立された世界秩序の中で優位に立つことのみを目指しているのではなく、中華人民共和国を世界の中心に据え、北京の権威主義的な目標と覇権主義的な野望に奉仕することで、世界秩序を根本的に覆すことを目的としているのです。中国による挑戦を前に、アメリカは自由を護らねばなりません」

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