写真:Prometheus72 / Shutterstock.com

《本記事のポイント》

  • トランプ大統領はツイッターで、ジャック・ウェルチ氏を称賛し、哀悼の意を示す
  • 「ウェルチ首相」なら、防衛産業に力を入れる!?
  • ウェルチ氏からはタブーを恐れず、大胆に物事を変える姿勢を学び取れる

1981年から約20年にわたり、米電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)のトップに君臨したジャック・ウェルチ氏が1日、腎不全のため84歳で亡くなった。

ウェルチ氏は、経営学者ピーター・ドラッカーの助言に従い、「世界のナンバーワンか、ナンバー2ではない事業から撤退する」という「選択と集中」を掲げ、同社を急成長させ、日本の経営者にも大きな影響を与えた。1999年には、米フォーチュン誌で「20世紀最高の経営者」にも選ばれた。

ウェルチ氏は、経営再建のために大胆なリストラを断行。建物を壊さず、中にいる人間を殺す特性を持つ中性子爆弾になぞらえ、「ニュートロン(中性子爆弾)・ジャック」と呼ばれた。そのやり方には当時から毀誉褒貶がつきまとったが、巨大企業をつくり上げた同氏の経営手法からは学べるものは多い。

トランプ米大統領は自身のツイッターで、「『ニュートロン・ジャック』のような経営者はかつていなかった。彼は私の友人で支持者であり、我々は一緒に素晴らしい取引をした。彼は決して忘れられないだろう。彼の素晴らしい妻と家族にお悔やみ申し上げる」と哀悼の意を示した。

「ウェルチ首相」なら、防衛産業に力を入れる!?

国家や会社を再建させる秘訣に迫るべく、大川隆法・幸福の科学総裁は2010年7月、ウェルチ氏の守護霊霊言を行い、それを収録した著書『逆転の経営術』を13年に発刊している。(なお同書には、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツや、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏の守護霊へのインタビューも含まれている)。

ウェルチ氏の守護霊は、人材の育て方や、投資と経費の見分け方などに言及。そして、もし日本の総理になったらという前提で、日本を大きく成長させるために、"選択と集中"を行うべき分野についてこう述べた。

「私としては、航空機や艦船等で、ある程度の自衛力を持って安全性を確保できるようなものをつくることと、爆弾やミサイルについて、もう一段の技術改善等が必要かなと思います。

特に、ミサイルの弾頭に付けているハイテク(製品)には、日本製のものが多いだろうから、実際に、自分たちでつくったほうが、きっと、もっといいものができるだろうし、それは必ず宇宙産業に全部通用するものなので、今、あなたがた(幸福の科学)が、『航空機産業、宇宙産業のほうにしっかり入れ』と言っているのは正しいと思いますね。ここに入らなかったら、二流国に転落していくのは時間の問題です。韓国や中国やインドに抜かれていくと思いますね」

日本は防衛産業を興さなければ、大国の地位を失い、「途上国化」が加速するという。

防衛技術の研究をめぐっては、日本の大学は長らく軍事研究をタブー視しており、非協力的な姿勢を見せるところが多い。確かにウェルチ氏であれば、そのような「常識」を覆し、発展の余地がある分野に国家資源を投入するだろう。

日本の行政は、国民からの批判を恐れ、総花的な仕事を行う傾向があり、高い成果を収めることが難しい。だからこそ、ウェルチ氏のような、タブーを恐れず、大胆に物事を変える姿勢を学ぶ取る必要があるだろう。ウェルチ氏のご冥福を祈りたい。

(山本慧)

【関連書籍】

『逆転の経営術』

『逆転の経営術』

大川隆法著 幸福の科学出版

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