2020年1月号記事

チャーチル、サッチャーが"予言"

イギリスは EU離脱で復活する

EU離脱で揺れるイギリスは、どこに向かっているのか。

(編集部 飯田知世)

イギリスが、欧州連合(EU)から離脱できずにいる。

ボリス・ジョンソン英首相は10月末までの離脱を目指していたが、英議会の承認を得られなかった。離脱期限を2020年1月末に延期。延期は3回目となるイギリスに、EUからは「延期はこれが最後」と決断を促す声もある。

イギリスは16年の国民投票で離脱を決めたが、膠着状態が続いている。こうした事態を受け、ジョンソン氏は今年11月、英下院議会を解散。12月12日の総選挙で、改めて有権者にEU離脱の是非を問う。ジョンソン政権は、総選挙で与党・保守党の議席を増やし、EU離脱を円滑に進めるつもりだ。

離脱は良いことなのか?

英議会が今回否決した離脱協定案は、ジョンソン政権が今年、EUと新たに取りまとめたもの。最大の特徴は、離脱後のイギリスが、EUの関税ルールから外れるものの、イギリスの一部である北アイルランドは、当面、EUの関税ルールに留まることだ。

離脱が決まれば、2020年末までを離脱の移行期間とし、その間にイギリスとEUは自由貿易協定(FTA)を結ぶ予定だった。

これからも紆余曲折がありそうだが、そもそもイギリスにとって、EU離脱は良いことなのか。それとも、悪いことなのか。その糸口を探すと、チャーチルとサッチャーという2人の首相が、この問題について″予言"していたことが分かった。

ジョンソン首相が描くEU離脱の道のり

12月、下院議会総選挙

保守党勝利?

EUとFTAを締結?

EU離脱?

次ページからのポイント

チャーチルがEU離脱問題を"予言"

サッチャーが指摘したEUの問題点