《ニュース》
フランス・パリのルーブル美術館で19日、皇帝ナポレオンが皇妃マリールイーズに贈ったエメラルドのネックレスなどの歴史的価値のある宝飾品9点が盗まれる事件が起きました。
《詳細》
4人組の強盗団は、開館直後の午前9時半ごろ、家具用リフト付きのトラックをルーブル宮殿の前に駐車し、リフトを使って、通りから、美術館の「アポロン・ギャラリー」を目指しました。電動工具で窓と展示ケースを切断し、わずか7分足らずで、王室の宝飾類を盗み出すことに成功。強盗は電動工具を武器のように振り回して逃走したということですが、来館者らに被害はありませんでした。
ルーブル美術館は、今回の強盗による損害額を8800万ユーロ(約155億円)と見積もっています。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどの報道によると、一部のルーブル美術館職員は、「長年にわたる人員削減が今回の事態を招いた」と批判しています。ルーブル美術館は約3万5000点の美術品を展示し、広さは7万3000平方メートル(東京ドームの約1.5個分)と世界最大級ですが、国営である同美術館は、限られた警備員と監視カメラの配置に苦慮していたといいます。
ルーブル美術館の警備員で労働組合幹部のエリゼ・ミュラー氏は、仏ラジオ局の取材に対し、「美術館職員はセキュリティ上の懸念について、当局に繰り返し警告していた」と指摘。実際に6月中旬、複数の職員が美術館の人手不足問題に関する抗議活動を実施していました。
同美術館では2017年にも、鉈を使った襲撃事件が発生しました。来館者の安全を守るため、美術館は来館者に上限を設けていますが、それでも1日当たり3万人が来館しています。
パリの自然史博物館でも9月、夜間に、60万ユーロ(約1億435万円)相当の自然金標本6キロが盗まれる事件が発生していました。
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