2018年8月号記事

地域シリーズ 沖縄

現地ルポ

宇宙産業でジョブ・クリエーション

沖縄を「宇宙へ行く島」に

沖縄は観光客数でハワイを超えた。

だがもう一段の発展を目指すのなら、新しい基幹産業が必要だろう。

沖縄を訪れ、その秘策を探った。

(編集部 小林真由美、山下格史)

「アジア系の観光客が買い物してくれて助かっています」

那覇市の国際通りにある、土産物屋の女性店主はそう笑った。

沖縄を訪れたのは6月上旬。初日は雨が降る悪天候だったが、時折雲の間から日が射すと、雨で浄化された沖縄の景色がキラキラと輝いて見えた。

今年に入って、昨年の沖縄県の観光客数が初めて米ハワイを超えたことが報じられた。ただ手放しでは喜べない。平均滞在時間や消費額はハワイの半分以下に留まっている(下表)。

また、地元の人々が「経済面でハワイ超えの実感はあまりない」とぼやく通り、ここ数年の1人当たりの県民所得は200万円台前半で横ばいが続く(図)。

所得が頭打ちに見える今、沖縄には新しい経済の起爆剤が必要なのではないか。大きな可能性を秘めているのが観光業と相性がいい「宇宙産業」だ。次ページから専門家に話を聞いた。

次ページからのポイント

Interview 大きな可能性を秘めた沖縄の宇宙産業 / 大貫美鈴氏

沖縄を航空・宇宙産業の一大拠点へ / 上原由佳利氏

沖縄を「遊べる島」から「学べる島」にしたい / 石川丈浩氏

宇宙と交通革命でジョブ・クリエーション