宮城県山元町にある先端農場「イチゴワールド」。

2018年4月号記事

地域シリーズ 宮城

宮城 現地ルポ 大震災から7年

世界を照らす 「復活力」

被災地を「夢の大地」に

東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県の復興はどうなっているのか。

それを確かめるべく、実際に被災地に行ってみた。

(編集部 小林真由美 / 写真 皆本直)

「平日は300人以上、休日は1200人以上のお客様が来る時もあります」

そう語るのは、宮城県沿岸部に位置する山元町にある農業生産法人GRAの「イチゴワールド」のスタッフ。ここで採れる「ミガキイチゴ」は、百貨店でひと粒1000円の値がつくこともあるという。

山元町は震災前、東北一のイチゴ生産高を誇っていた。しかし巨大な津波で600人以上の命が奪われ、2500以上の家屋が被災。イチゴ栽培ハウスの9割が壊滅的な打撃を受けた。

そこに今、巨大な先端農場ができ、多くの人が集まっている。

宮城の2月は寒いが、ビニールハウスの中は別世界。ハウス内の温度や湿度、光の量などは、イチゴにとって最適になるよう常に自動で調節されているのだ。

客層はカップルや親子連れなどが中心で、中には中国人やイスラム教徒などもいた。イチゴ狩りをする婚活イベントでは、すでに2組の夫婦が誕生したという。

「震災で地域の絆が深まった」

海のすぐそばにある女川町。ここでは940人以上の住民が犠牲になり、住宅の80%以上が全半壊した。

震災後に建て直された新しいJR女川駅は、復興のシンボル的存在。土産物店や温泉施設が併設され、周辺も含め、観光地になっている。

駅のそばの商業施設「シーパルピア女川」で、特に多くの客で賑わう店を見つけた。

「東京から来たの?これ食べて」

笑顔で「さんまのこぶ巻」を差し出すのは、水産加工品の製造・販売を行う「マルキチ阿部商店」会長の阿部すが子さん。地元では有名な看板女将だ。

「海鮮浜めし」を注文すると、奥からいろいろな惣菜を持ってきては、「これも食べて」と言いながらご飯の上に載せてくれた。

次ページからのポイント

心の復興に必要な霊的人生観

霊的真実を知ることが鎮魂につながる

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