《本記事のポイント》

  • 米CNNは、北朝鮮がミサイル発射を行う可能性を報じた
  • 米世論調査では、過半数が北朝鮮への軍事行動を支持
  • トランプ政権が国内問題で動けない今、日本がリーダーシップをとるべき

米CNNは、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)、または中距離ミサイルの発射実験の徴候があるとして、米当局が警戒を強めていることを報じた(20日付)。

CNNに明かした米政府関係者2人によれば、北朝鮮による発射実験は、2週間以内に行われる可能性がある。また同時に、北朝鮮の潜水艦が、48時間連続で同国本土から約100キロ離れた日本海で航行し、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験も進めているという。

これに対し、北朝鮮情報サイト「38North」は、SLBM「北極星1号」の発射実験の準備ではないかとの見方を示している。

いずれにせよ、北朝鮮がミサイルを発射する可能性があると予測されている。

軍事行動を決めかねるアメリカ

北朝鮮は、国際社会への挑発をやめず、着実に軍事技術を向上させている。核保有の地位を確立すべく、ジリジリと駒を進める同国に対し、アメリカは対応を決めかねている。

米FOXニュースが7月に行った世論調査によると、回答者の55%が「北朝鮮の核開発を止めるにはアメリカの軍事行動が必要」と考えている。軍事行動の実施については、賛成が51%、反対が37%だったという。

4月に行った同様の調査では、アメリカの軍事行動が必要と考えているのは51%で、賛成が53%、反対が39%だった。数字は大きく動いていない。

多くの国民が軍事行動の必要性を認識している。ただ、実際に攻撃に踏み切るのが難しい状況にあるのも事実。トランプ政権は、ロシア疑惑などの国内問題で足を取られ、支持率が低調であるためだ。

日本が何をするかが重要

そうであれば、脅威を感じる日本が、リーダーシップを取って北朝鮮の暴走を抑止しなければならないのではないか。

例えば、敵基地を破壊する「巡航ミサイル」を配備したり、それを潜水艦から発射できるように整備する計画を打ち出したりすれば、日本の抑止力や影響力は向上する。さらに中国の脅威への対処も考えれば、独自の核保有も検討しなければならないだろう。

日本が、具体的に北朝鮮を押し止めるための行動を起こすべき時にある。それがひいては、アメリカや韓国の行動を促すはずだ。

(片岡眞有子)

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