《本記事のポイント》

  • 皇太子さまが陛下の「おことば」に言及
  • 天皇陛下のメインの公務は「宗教儀式」
  • 会社の社長のように引退するわけにいかない

皇太子さまが57歳の誕生日を迎えるにあたって行った記者会見で、2016年8月に天皇陛下が「生前退位」の意向を強く示唆されたことを振り返った。皇位継承順位1位の皇太子さまが公の場で陛下のおことばの感想を語ったのは初めて。

「両陛下が一つ一つの行事を大切に思われ、真摯に取り組まれるお姿を間近に拝見してまいりました。ですので、今回、陛下がおことばの中で『全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか』とご案じになられていることに、とても心を揺さぶられましたが、同時に陛下のお気持ちがそこに至った背景につきましては十分お察し申し上げていると思います」

また、今後のご公務については、「陛下のお考えを真摯に重く受け止めますとともに、今後私自身が活動していくのに当たって、常に心にとどめつつ務めに取り組んでまいりたいと思います」と述べられた。

これらの発言から、皇太子さまが、陛下の譲位のご意向を酌み、次期天皇としての在り方について考えておられることがうかがえる。

天皇陛下のメインの公務は「宗教儀式」

天皇陛下は83歳のご高齢であることに加え、ご多忙の身であるため、退位はやむを得ないという意見も多い。しかし、天皇の生前退位を考えるにあたっては、「天皇の宗教性」について理解を深める必要がある。

私たちがニュースなどでよく見る天皇陛下のご公務は、外国の要人とのご引見や午餐、全国戦没者追悼式、国際学会などの行事参加、外国へのご訪問などである。震災後には被災地への訪問や慰霊をされている姿が印象に残る。

そうした国民とふれあうご公務も尊いが、天皇陛下の本来のお仕事は、日本神道の神官の長として、国民の幸福を願い、神々への祈りを捧げること。つまり宗教家だ。天皇陛下は日本神道の主宰神である天照大神の肉体子孫であり、代々、宗教家としてのお仕事をされてきた。

天皇陛下は毎朝、皇居内にある宮中三殿と伊勢神宮の方角に向かい、国家と国民の安寧と繁栄を祈る「宮中祭祀」を行っておられる。さらに、年間約20件近くの日本神道の祭儀に参加されている。こうした宗教儀式は、天皇陛下以外、誰も代わることができない、最も重要なご公務といえる。

会社の社長のように引退するわけにいかない

大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『繁栄への決断』の中で、天皇陛下の生前退位について、次のように述べている。

やはり、皇室とは、御神事を行っているところであって、『国家の安寧』と『世界の平和への願い』を発信するところだと考えているのです。その意味で、『会社の社長のように引退する』というわけにはいきません

さらに大川総裁は1月、天皇家の始祖であられる天照大神の「神意」を明らかにすべく、天照大神の霊言を収録。その中で、天照大神は天皇の生前退位について次のように語られた。

天皇制は、不可抗力を除き、自発的に退位できるものではありません

現天皇に対しても、次の天皇予定者である皇太子に対しても、『汝ら、天照大神の肉体子孫であることを信じておるか否か』を、問いたいと思います

今最も必要なのは、陛下が本来の仕事に専念できるよう、「天皇陛下は宗教家」という認識を日本人がしっかりと持つことではないか。(桃)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『天照大神の神示 この国のあるべき姿 聞き手 大川咲也加』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1810

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