By Marc Nozell [CC BY 2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons

アメリカ大統領選の予備選挙が14日に終了する。

共和党は不動産王のドナルド・トランプ氏、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官が、それぞれ大統領候補の指名を確実にしている。両氏は7月の全国党大会で正式に承認された後、9月から始まる本選挙で直接対決する。

次のアメリカ大統領が誰になるかは、今後の国際情勢を左右する大きなカギとなる。日本にとって気になるのは、トランプ氏が大統領になった場合の大きな変化だ。

同氏は、日本に対して、駐留米軍費用の全額を負担するよう要求し、応じなければ撤退を検討すること、日本が核を保有することも一つの選択肢であるという考えを示している。

選挙戦が始まった当初は、過激な発言で泡沫候補とされていたトランプ氏だが、今は違う。アメリカの政治情報サイトによれば、本選挙でトランプ氏とクリントン氏が戦った場合、支持率についてはトランプ氏がクリントン氏を0.2%ほど上回るという分析結果が出ている。

日本では7月に参院選を控える中、国防という観点で、トランプ氏が大統領になった場合に備えられる政党はどこか。

民進党は国難を招く

民進党を含む野党4党は、問題外だ。

野党4党は、改憲阻止や安保法廃止、日米が合意した米軍普天間基地の辺野古への移設への反対などを訴えている。ただ、中国は南シナ海で戦闘機の離発着が可能な滑走路の建設を進めるなど軍事覇権を強めており、北朝鮮は核実験やミサイル発射を繰り返す中だ。これらの政策ではまったくと言って対抗できず、国民の生命と安全が脅かされる。

トランプ氏が主張するように米軍が日本から引き上げた場合、民進党では国難を招いてしまう。

自民党は基地移設問題で有権者を裏切った

自民党であっても不安は大きい。

憲法改正に向けて動いていることや、今年3月に安保法を施行した点などは評価できる。その一方で、普天間基地の辺野古への移設は一向に進まない。翁長雄志・沖縄県知事の根強い反対などもあるが、基地移設問題のそもそもの混乱原因は、自民党の不正直さと無関係ではない。

同党は2010年秋の沖縄知事選で、県外移設を主張した候補を支持し、当選させた。しかし2012年冬の選挙で政権の座に返り咲いた直後、安倍晋三首相は辺野古に移設する方針を示し、態度を一変させる。

2013年夏の参院選勝利後は、支持した沖縄県選出の国会議員を辺野古移設容認に転向させ、沖縄県知事に辺野古沖の埋め立てを承認させた。

「県外」で当選させ、「県内」に転向させることは、有権者に対する裏切り行為に他ならない。

選挙後に打ち出される国防政策

国防政策が打ち出されるタイミングについても、自民党の不正直さが透けて見える。

自民党は、有権者の反応を気にしてか、選挙前になると、国防政策を引っ込め、選挙後に決まって打ち出してきた。

例えば2012年冬の衆院選前に発表したマニフェストの中には、憲法9条改正という文言は見当たらなかったが、選挙に大勝し、政権を奪還した後、安倍晋三首相は、9条改正を念頭においての96条改正論に言及している。

今回の参院選でも、安倍首相はアベノミクスの是非を争点にし、国防について真っ向から訴えていない。

こうした自民党の不正直さは、日本国民はもちろんのこと、正直さを旨とするトランプ氏の不信感も招きかねず、日米関係が悪化する原因となりかねない。

国防強化を一貫して訴え続ける幸福実現党

一方、幸福実現党は、2009年の立党以来、一貫して国防強化を訴えてきた。

立党の背景には、2009年の北朝鮮のミサイル発射に対し、時の自民党・麻生太郎首相が十分な対抗措置を取らなかったことがある。幸福実現党は国防の危機をいち早く見抜き、核抑止の検討や憲法9条改正など、日米同盟を堅持しつつも、「自主防衛」できる体制づくりを進めるよう提唱し続けてきた。

本誌2016年6月号「日本と世界をリードした幸福実現党」特集では、自民党は幸福実現党の政策を後追いしてきたことを示している。幸福実現党は政府に代わり世論をリードしてきた実績がある。仮にトランプ氏が大統領になっても、国民の安全と財産を守る政策を打ち出せる。

アメリカが「世界の警察官」を辞めつつある中、国防政策を真っ正面から訴えられる政治家こそ、今後アメリカとよい関係を築き、日本を含めたアジアの平和と繁栄に寄与できる。7月の参院選では、こうした政治家の選出が望まれる。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『幸福実現党宣言』 大川隆法著

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