台湾総統選に出馬表明の頼清徳氏が東京で講演 「台湾の民主主義を守る選挙に」

台湾総統選に出馬表明の頼清徳氏が東京で講演 「台湾の民主主義を守る選挙に」

12日、池袋・ホテルメトロポリタンで、「台湾と日本が共に直面する試練、そしてチャンス」と題した講演を行った頼清徳前行政院長。

 

「台湾の自由と民主主義を守る選挙に」

来年1月の台湾総統選挙への出馬を表明している与党・民進党の頼清徳・前行政院長(首相に相当)がこのほど来日。同党内の予備選や本番の総統選に備え、日本重視の政治姿勢を打ち出すとともに、台湾への武力行使も視野に入れる中国共産党の圧力に屈しないスタンスを明確にした。

 

頼氏は行政院長の在任中、立法院(国会)で「私は台湾独立を主張する政治家だ」と述べるなど、現職の蔡英文総統よりも強く台湾独立志向を打ち出しており、台湾本土派(独立派)の熱い支持を受けている。

 

民進党の総統候補を決める予備選は、蔡総統との一騎打ちになっている。民進党本部によると、5月下旬に行われる政見発表会や世論調査を経て、6月5日に党公認候補が発表される見通しだ。

 

 

「台湾はすでに独立した主権国家」

頼氏は今月8日から12日までの5日間、日本に滞在。12日、都内で行われた在日台湾同郷会(王紹英会長)主催の会合で講演を行った。講演に先立って行われた記者との懇談では、来日の目的や成果についてこう語った。

 

「日本で3人の元首相と30人以上の議員と面会し、衆院議員会館でも『日台令和時代の新しい関係』というテーマで短い演説を行いました。成果としては、日台提携の基礎をつくることができたと思っています」

 

また、「台湾独立」に関する質問については、次のように答えた。

 

「民進党が1999年に発表した『台湾前途決議文』の1つ目の要点は、『台湾はすでに独立した主権国家である』というものです。台湾の主権は中華民国にあり、中華人民共和国とは別ですので、新たに台湾独立を宣言する必要はありません。2つ目の要点は、『主権は国民にあり、台湾の将来は約2300万人の台湾人が決める』ということです。私が考える台湾独立は、この決議文に基づき、台湾経済を発展させ、国民を豊かにすることです」

 

 

「習近平政権の『一国二制度』などの主張は受け入れられない」

さらに、「中国の圧力が高まっている現状をどう見ているか」という質問には、今年1月に中国の習近平国家主席が発表した5項目の対台湾政策(「習五点」)に言及しながら、こう述べた。

 

「習近平政権は、『台湾に対する武力行使を放棄しない』『台湾を併呑する計画をすでに完成した』『「一国二制度」の具体化に向けた政治対話を台湾に求める』と述べました。台湾人は習近平政権のこうした主張を受け入れられません。台湾はすでに独立した主権国家であり、中華人民共和国には属していないからです。台湾の自由、民主、人権を守ることを決意しており、台湾が第二の香港になることはあり得ません」

 

 

日本版「台湾関係法」の制定は「大歓迎」

頼氏はさらに、昨年アメリカで成立した、台湾との防衛協力を強化する内容を含む「国防権限法」に基づき、台湾の国防力を強化する必要性について語った。また、「台湾も民主主義の基盤を確立しなくてはいけません。積極的に『インド太平洋戦略』に参加し、アメリカ、日本、インド、オーストラリアと連携する必要があります」と述べた。

 

さらに、「日本政府も『台湾関係法』を制定すべきではないか」という本誌編集部からの質問に対しては、「日本の国会で、アメリカにあるような『台湾関係法』を通過させることには一定の難しさがあることは存じております。しかし、日本で『台湾関係法』を通過させることができるのであれば、もちろん大歓迎します」と述べた。

 

そのうえで記者との懇談の最後に、「来年の選挙は、民主主義と共産主義の戦いであり、中国による台湾統一に反対する選挙になる」との見方を語った。

 

 

「中国との平和協定を絶対に結んではならない」

その後の講演では、親中的な台湾の国民党の政策について、次のように批判した。

 

「台湾は今、中国の脅威に直面しています。しかし、こうした状況下にあるにもかかわらず、国民党は中国と歩み寄ろうとしています。国民党が進めようとしている『中国との平和協定』は問題解決になりません。中国と平和協定を結んだチベットは、今でも中国から圧力をかけられて、ダライラマ法王は亡命を余儀なくされました。こうした先例もあるので、台湾は絶対に中国と平和協定を結ぶべきではありません」

 

 

「台湾の安全を確保し、中国の民主化を推進」

頼氏はそのうえで、「安内和外」という自身の安全保障政策の理念を紹介。その内容について次のように語った。

 

「まずは台湾の安全保障の強化です。アメリカの台湾関係法や国防権限法も利用しながら、軍事力を強化し、『自分の国は自分で守れる体制』を固めます。そして、断固として台湾の民主主義を最後まで守り通します。

 

国民の安全で豊かな生活を実現したうえで、対外的には、持続的なアジア地域の平和のために、台湾がより大きな役割を果たすべきであると考えます。積極的に『インド太平洋戦略』に参加し、共産主義勢力の拡大に対抗します。中国の民主化を推し進め、両岸関係の安全保障に貢献します。この安全保障政策のキーワードは、『安全』『繁栄』『民主』『平和』です」

 

頼氏は講演の最後に、「今回の選挙を、共産主義に対抗し、台湾の自由と民主主義を守る選挙にしていきましょう」と呼びかけた。会場に集まった頼氏を支持する在日台湾人の参加者は「頼清徳、当選!」と応じた。

(国際政治局 小林真由美)

 

 

【関連記事】

2017年9月7日付本欄 台湾の新首相・頼清徳インタビュー 「台湾独立」のため日本に期待すること【再掲】

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2019年4月3日付本欄 陳水扁・台湾元総統が幸福実現党への期待を表明 「台湾関係法を制定してほしい」

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タグ: 平和協定  中国  台湾  一国二制度  台湾総統選  頼清徳  主権国家  

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