年金積立金6.4兆円取り崩し
2011.04.25
2011年度中に年金の積立金6.4兆円が取り崩される見通しとなった。
高齢化が進んで年金の給付額が増え、保険料収入や税金で賄えなくなったため、取り崩すことになった。24日付日経新聞で報じている。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する年金の積立金は、現在約116兆円。2005年末の段階では150兆円あったが、ここ数年は積立金の取り崩しによって目減りしている。政府がこれという高齢化対策を講じていない以上、今後も、積立金を取り崩さなくて済むような見通しは立っていない。
昨今、財政赤字問題で、増税論議がかまびすしいが、その主原因は年金などの社会保障費が増大していることにある。財政の健全化を考える場合、本来ならば、年金制度の根本的な改革や、少なくとも支給開始年齢の引き上げを議論しなければならない。
欧米では、米国が27年までに67歳、英国が46年までに68歳などと、支給開始年齢の引き上げ方針を決めている。
日本もこの議論を無視したままではいられないだろう。震災の復興を理由に増税論議を始める前に、社会保障のあり方についての議論がなされるべきだろう。(村)
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