「大連立」要請の背景にある、菅政権の無責任体質
2011.03.21
東日本大震災の対応に追われる菅首相は19日、電話で自民党の谷垣総裁に「副総理兼震災復興担当相」として入閣を要請した。事実上の「大連立」だ。しかし、自民党の役員会はこれを拒否。谷垣総裁は断りの電話を入れた。この大連立要請をはじめ、地震発生後の民主党政権の一連の対応からは、政権の「無責任体質」が浮き彫りになっている。
17日に自衛隊のヘリが福島原発3号機に海水を投下した後、北沢防衛相は「首相と私の重い決断を、統合幕僚長が判断し、自ら決心した」と発言。自衛隊内からは「大臣の命令と強調すべき。統幕長に責任を押しつけた」と批判の声が上がった(3月19日付け産経新聞)。
また、福島県知事は県内の避難所が満杯のため、菅首相に被災者の県外受け入れの支援を要望。しかし、厚労省は報道に対し「法に基づく費用支援は行うが、避難所は県が中心に設営するもの」と回答。県外へ避難するバスを確保する予定だった国土交通省も「要請がない」と実施しておらず、「自治体同士がやりとりしているので、我々はサポート役」とした(3月20日付け読売新聞)。
そもそも民主党政権は「地域主権」と称して地方への権限委譲を進めようとしているが、その本質は自らが判断しない無責任体質であり、震災対応にもそれがよく表れている。沖縄の米軍普天間基地の移設問題でも沖縄に責任を押しつけているが、大規模な災害や国防の問題は政府が責任を持って解決にあたるべきだ。自民党は、大連立の要請を「首相から責任を押し付けられかねない」と拒否したが、その直感は正しいだろう。(格)
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「震災の政治経済への影響について」MIT研究員
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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