8日にアリゾナ州で起きた、政治集会における銃乱射事件の影響を予測した記事を読売オンラインが掲載していた。

米国では年間10万人近くが銃撃され、3万人以上が銃で死亡しているという推計が紹介されているが、ここでは、この「年間3万人」という数字に注目してみたい。

なぜなら、年間3万人とは、たまたま日本の年間自殺者数と一致する数字だからだ。

米国の銃による死亡者には自殺者も含まれており、両国の3万人という数字を単純には比較できないものの、「銃による他殺」と「自殺」の多発という共に社会的な病理現象を、心の面から分析すれば、前者は「他人を攻撃する心」の表れであり、後者は「自分自身を責め立てる心」の表れであると言える。仏教的には、この二つは人間を不幸にする「両極端の心」そのものだ。

ゆえに仏教は、他人をむやみに攻撃せず自分を責め過ぎることもない、「中道」の心が肝要だと説いている。日米両国の「年間3万人」をゼロに近づけるためには、銃に関する法的規制などの具体的手段もさることながら、中道的な宗教思想が広まることが重要である。(T)

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