台湾の馬英九総統が、11月に北京で開かれるAPEC首脳会議に出席し、中国の習近平・国家主席と会談する意欲を示した。31日付読売新聞が報じた。同紙記者のインタビューに対し、馬総統は「先経後政(経済優先、政治は後回し)」の立場を強調し、習政権と一定の距離を置いていることをアピールしたが、会談が実現すれば、中台初のトップ会談となる。

2008年に発足した馬英九政権は、中国との経済的なつながりを深め、2013年には中国とのサービス貿易協定を締結。しかしこの内容が明らかになった今年3月、市民約50万人が大規模なデモを実施し、中国の影響力の拡大に「ノー」の意思を示した。

台湾では、今年11月下旬、5大直轄市を含む22の地方政府の首長や議員を選ぶ統一地方選を控えており、2016年1月には総統選が行われる予定。しかし、馬政権は中国との関係強化による景気回復以外に、国民党への支持を集める方策を見つけられていないようだ。

だがその中国は、南シナ海でベトナムやフィリピンと小競り合いをくり返し、一触即発の緊迫した状況を自らつくり出している。この状況は南シナ海に面した台湾にとっても他人事ではないはずだが、中国との関係を壊したくない台湾は、これまで中国に対して厳しい指摘を行っておらず、ASEAN諸国とも足並みをそろえる姿勢は見られない。

馬総統の本心は、一体どこにあるのか。実は、馬総統が再選を果たした直後の2012年2月、大川隆法・幸福の科学総裁は、馬総統の守護霊を招き、その本心を聞き出している。

その中で、馬総統の守護霊は、「中国共産党は嫌いだが、強いから支配されても仕方ない」と発言。日台共同体構想のようなものを考えてはどうか、という質問者に対して、「それを言ううんだったら、まず日本が一方的に、『台湾は国だ』って、ちゃんと宣言しなさいよ。そうしたら、中国は怒るよ。絶対、怒る。日本は、その怒りに対して跳ね返せるだけの言論とパワーを持ちなさい」と注文をつけた。

安倍晋三首相は5月30日夜、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議に出席し、中国の覇権主義を批判してASEAN地域の安全保障に貢献する姿勢を表明した。自民党有志も「日本版・台湾関係法」(仮称)の策定を急ぎ、ASEAN諸国に加えて台湾も日本が守れるような体制づくり目指している。

台湾自身の努力は欠かせないが、台湾の中国接近を阻止するには、台湾のお尻をたたくだけではいけない。口先で大きなことを言うだけになってしまったアメリカは、もはや頼りにできないだろう。やはり、日本自身がアジア地域に責任を持つ意思を具体化すべき時代に入っているのだ。(今)

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幸福の科学出版 『日蓮聖人「戦争と平和」を語る 集団的自衛権と日本の未来』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『台湾と沖縄に未来はあるか? 守護霊インタヴュー 馬英九台湾総統 vs. 仲井眞弘多沖縄県知事』 大川隆法著

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