韓国の保険大手の現代海上火災保険が韓国金融当局の依頼を受け、いじめなどの「校内暴力」、「性暴力」、「家庭内暴力」、「不良食品」の被害を保証する保険を発売すると、4日付韓国総合ニュース電子版が報じた。政府と自治体が共同基金を設立し、被害を受けやすい「社会的弱者」約10万人は、3月中に無料で加入できるようにする。保険に加入すれば、身体的被害に対する治療費のほか、特約で最大数百万円の精神的被害補償を受けられるという。

韓国の昨年の調査では7万7千人以上がいじめられた経験があると回答し、その10%が自殺を考えたことがあるという。2011年末にいじめによる生徒の自殺が連続したこともあり、いじめは韓国の社会問題となっている。また、人口10万人当たりの強姦の発生件数は日本が0.9件であるのに比べ、韓国では39.2件と、40倍以上の発生率となっている。

不良食品については驚くものであり、虫などの異物混入やカビ、レストランでの大腸菌の発生など、衛生管理が行き届いていないがために起きた事件が多発している。朴槿恵政権は、「4大社会悪」の根絶を公約に掲げ、これら暴力行為や不正行為の厳罰化などに取り組んでいる。

確かに、被害者への補償が必要なケースはあるかもしれない。だが、そもそもこうした「4大社会悪」の根本原因は、モラルの欠如が蔓延している点にあるのではないだろうか。政府が、加害者や加害企業が責任を取らなくてもよい仕組みを助長してしまえば、反省できない体質はますます悪化することだろう。

韓国の現代経済研究院の昨年末の調査によれば、韓国の成人の85.7%が、「韓国では法律が厳格に守られていない」と答え、国の指導者について、84%の人は「道徳的素養が低い人間でも成功すれば受け入れる」と答えたという。韓国は儒教国だが、道徳の精神や遵法の精神は骨抜きになっているということが伺える結果だ。韓国は李朝時代に、仏教やキリスト教の弾圧を行うなど、宗教的な価値観を排撃してきた。韓国が真の意味で「近代化」するためには、宗教的な価値観を認める国作りのために力を注ぐべきである。(晴)

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2014年3月号記事 救韓論 韓国が「近代化」する5つの方法

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2012年2月2日付本欄 儒教では限界、新たな道徳思想が必要な韓国

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