2008年5月号記事

国内で死者数百万人!?

世界的大流行から生命を守るために自分でできること、国家がすべきこととは何か

ヒトの全身を冒して多臓器不全を起こし、感染者の60パーセントが死ぬ──。そんな「新型インフルエンザ」の猛威が迫っている。現在までにアジアなどで計200人以上の死者が出ているH5N1型鳥インフルエンザ。このウイルスがヒト型に変異を遂げて人間の世界でパンデミック(世界的大流行)を起こすのは、もはや「時間の問題」だとWHO(世界保健機関)は警告している。死者は日本で数百万人、全世界では1億4千万人以上とも試算されている。

にもかかわらず、日本は国としての対策が諸外国と比べて立ち遅れたまま。もし今パンデミックが起こったら、国内には薬や人口呼吸器も予防のためのワクチンも十分にはないのだ。国民の生命を守るという最も重い責任を果たすため、政府に早急に求められる対策とは何か。そして、自治体、企業、私たち一人ひとりは、国まかせにせず自分の身を守るために、何をなすべきか。(本誌取材班)