朝日新聞が7月25日付朝刊の1面トップ記事で、「10都県でストロンチウム 福島・宮城以外で初」と、相変わらず「原発は怖い」と言うための印象操作を行っている。

文部科学省の発表では、福島第一原発事故後、大気中に放出されたストロンチウム90が福島、宮城両県以外の10都県で確認されたという。

「健康や環境への影響はまずない」と書いてはいるが、一方で「ストロンチウムは水に溶けやすく」「食物にも移行しやすい」と不安をかきたてている。

一方で、この記事が「大気圏内核実験が盛んだった1960年代に国内で観測された最大値の60分の1程度」と書いているように、60年代の日本人は全国的に大量の放射性物質を浴びている現実がある。

ただ、国名が記されていない。この核実験は中国によるもので、放出された放射線量はチェルノブイリ原発事故の800万倍にものぼり、それが黄砂に乗って日本に降り注いだ。ストロンチウムは福島第一原発事故の1万倍の量にのぼっている。

1960年代に10代を過ごした団塊の世代は、中国からのストロンチウムによって1~7ミリシーベルト被曝したとされるが、団塊の世代である菅直人元首相は「脱原発」「反原発」に血眼になりながら、福島第一原発よりもはるかに多くの放射線を浴びた中国の核実験に抗議したことはないだろう。それは何より、菅氏が福島第一原発事故よりもはるかに多い量の放射線を浴びながらも一切健康被害がないからだ。

である以上、福島第一原発事故で健康被害は起こりようがない。

この記事に素直に見出しをつけるならば、「原発事故のストロンチウム 中国核実験時の60分の1 健康影響なし」と1面に書けば、国民の無用な不安を払拭できる。見出しによって180度違う印象を与えようとする手法はそろそろやめたほうがいい。(織)

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