生活保護受給者数が、「本来は働ける世代の若者の受給者の増加」によって増えている。ネット上ではこれを「ナマポ(生保)」と呼んでおり、2ちゃんねるなどの掲示板で、生活保護のノウハウを共有しているのが実態だ。

厚生労働省の調査を見ると、この15年間で20歳~39歳の生活保護受給者は倍増している。特に近年、リーマンショック以降、急増している。

この最大の理由は、生活保護の"特典"にあるらしい。

驚くことに生活保護受給者は、医療費や介護費、家賃(上限あり)が無料になり、NHKの受信料、住民税、国民年金保険料も免除され、JR通勤定期運賃や光熱費も減額される。生活保護には、このような特典がある上に、独身者でも月に10万~15万円受給することができるのだ。

この生活保護受給額は、最低賃金よりも高いということが問題となっている。年収200万円以下の「ワーキングプア層」と呼ばれる人々よりも、生活保護の特典により、生活保護受給者の方が可処分所得が多くなるのだ(埼玉県の最低賃金735円で計算すると、173.8時間労働で月収は税込み127,743円になる)。

つまり、「働かないで生活保護を受けている方が得をする」ことがあるため、若者の生活保護受給者が増加していると考えられる。

そもそも生活保護とは、病気や怪我などのやむをえない事情で生活が困難になった人の生活を保護し、自立を促すためのセーフティネットである。

しかし一部では、生活保護費を娯楽に使っている若者もいるらしい。本来働けるであろう人が生活保護を不正受給し、"国のすね"をかじって娯楽を楽しむ若者が増加しているのであれば、生活保護本来の目的から逸脱している。

したがって具体的な対策としては、生活保護の最低金額の値下げや、生活保護審査の厳格化などを検討すべきであろう。

数年前、民主党が政権を奪うあたりから、「格差社会」や「ワーキングプア」と称してマスコミがキャンペーンを張り、「働いても貧乏な人が増えている」ことを大騒ぎした。しかし、その結末は、「働かない若者の急増」である。生活保護を通して、日本が「自助努力の精神のない国家」になりつつある。

政府は生活保護を始めとする社会保障政策の見直しを行い、小さな政府を目指して国の舵取りを行うべきだ。生活保護に安易に走る若者も、「貧しくとも働くことで道を開く」という自助努力の精神を取り戻してほしい。(飯)

【関連記事】

2012年3月30日付本欄 マスコミは伝えないがネットで騒然 在日外国人の生活保護増加

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4071

2011年11月8日付本欄 生活保護受給205万人、手厚い保護が国を滅ぼす

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3234