昨日に続き、米誌ニューズウィーク3月12日号のカバーストーリーから。

(以下、抜粋)

3人目は高級レストランチェーン創業者のZhang Lan氏(54歳)。文革開始時9歳だった彼女は母と地方に追いやられ、豚の世話をして暮らし土の上で寝た。夜は母が「この女、反体制派(political dissident)」と書いたボードを持たされ、人前でひざまずかされるのを見た。「あの頃は中国全体が暗闇でした」

結婚後に単身カナダに渡って金を溜め、帰国してレストランを始め、今では中国全土に40店舗を持つ。トップクラスの成績をとらないと体罰を課して育てた息子は今30歳で、チェーンのCEOに収まりフェラーリを乗り回す。彼女自身は離婚し、「ソウルメイト」である写真家と暮らしている。

4人目はオンライン小売業で大成功したPeggy Yu Yu氏(46歳)。

「学生時代はいつも1番か2番だったけど、両親が決して満足しないので、100点を取れないと泣いていました。何か間違ったことをすると両親に自己批判の手紙を書かされ、壁に貼られました」

20代で渡米し、MBAを取得しつつ消費文化の味を覚えた。

「服でも食べ物でもいろいろ選べるなんて! 当時の中国では、選択肢がないから買い物は苦痛でした」

現代中国では科挙的な競争熱が復活しているが、儒教的な仁、義、礼などは失われたままだ。多くの中国人は、共産党支配から抜け出しつつある中国に富と物質主義(wealth and materialism)以外の価値観がないことを憂えている。(抜粋、以上)

大成功した彼女たちの人生の、その先にあるものは……?

それは「ほんとうの幸福」でなければならないはずだ。

人は何のために生まれ、勉強し、働き、家族をつくり、老いて死んでいくのか。答えは唯物論の中にはない。「人間は、永遠の転生輪廻の中で魂を向上させ、人々と力を合わせてユートピアを建設するために生きている」という宗教的真理の中にのみ、ほんとうの幸福への道がある。その真理こそ、中国13億人の心に、いま何より必要なものだ。(司)

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2012年3月10日付本欄 「リッチなメス虎」たち、中国人の心の空虚さを語る(前編)

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3938