全国公開中
《本記事のポイント》
- 情緒を育むことが不得手なタブレット型玩具
- チャットにはびこる誹謗中傷
- 想像力を育むおもちゃの大切さ
ディズニー&ピクサーの人気作品「トイ・ストーリー」シリーズの第5作。タブレット型玩具に没頭する子供たちの虚ろな姿を前に、ウッディとバズが再び手を取り立ち向かう姿を描く。
ボニーのもとで暮らすバズやジェシー、フォーキーたちは、これまでと変わらぬ日常を送っていた。しかし、最新型のタブレット「リリーパッド」がやってきたことで状況は一変。多機能なデバイスに夢中になるボニーの姿を前に、おもちゃたちは自分たちの存在意義に疑問を抱き始める。
「おもちゃはもう必要とされていないのか」という不安が広がる中、仲間からのSOSを受けたウッディが再びボニーのもとへ戻り、バズと再会する。かつての名コンビは、新たな危機に立ち向かう。
日本語吹き替え版ではウッディ役の唐沢寿明、バズ役の所ジョージをはじめ、日下由美、竜星涼らおなじみのキャストが参加している。
情緒を育むことが不得手なタブレット型玩具
この映画で象徴的なのは、町中の子供たちがタブレットに没頭して、子供同士の遊びも行わず、虚ろな目をして一日中、画面に没頭する姿である。
本サイト6月30日付記事「乳幼児のタブレット使用が、後の学習能力などに悪影響を及ぼすことが研究で明らかに」でも指摘されている通り、子供の長時間のタブレット使用は「近視や睡眠障害といった身体への悪影響に加え、中長期的には知能や精神の発達に悪影響をもたらすことが数多くの事例から明らか」となってきている。
「スクリーン画面を一緒に見ている時よりも、絵本を一緒に読んでいる時のほうが、語彙の量や質がはるかに豊かで複雑になる。そのため、人との直接のふれあいの中で学ぶ機会が減ることで、語彙力や読み書き、計算能力の低下につながっている」のである。
おもちゃと比較して、タブレットに欠けているもの、それは子供の情緒を育む力であることが、映画では繰り返し示唆されている。友達をつくったり、遊びの中で会話を通して人の心を理解したり、喜びや悲しみを共にする経験が極端に減っているのだ。
大川隆法・幸福の科学総裁は、この情緒の意義について次のように指摘している。
「二、三歳から六歳ぐらいまでのあいだに、子供には情緒が出来上がってきます。情緒の形成は非常に大切です。これによって、高級なもの、高尚なものを求める気持ちに傾いたり、あるいは、残忍な気持ち、冷酷な気持ちに傾いたり、さまざまな傾きができてくるのです」(『幸福へのヒント』)
そして、おもちゃと遊ぶことと情緒の関係について次のようにも語っている。
「人間を部品の寄せ集めだと思わせないのが、『情緒』の力である。
『情緒』とは、夕焼けを見ては、美しいと思い、
壊れたオモチャを見ては、今は亡き父を憶い出して、涙する心である」(『心の指針Selection4』)
おもちゃは、与えてくれた両親や、ともに遊んだ友だちなど、感謝と喜びに満ちた記憶とともにあるものだ。そこに、おもちゃの情緒を育む力があるのであろうし、それこそが、子供たちの精神的危機を"トイ(おもちゃ)"が救うという奇想天外な"ストーリー"の正当性もあるのだろう。
チャットにはびこる誹謗中傷
映画の中では、子供たちの情緒を傷つける最たるものとして、チャットルームの中でやりとりされる会話の中での傷つける言葉や、仲間外れなどの蔓延が描かれている。
チャット空間という閉鎖された中で、大人の目は届かず、残忍な言葉の暴力が蔓延していくのである。
大川総裁は、情緒が損なわれる原因として「両親が、互いに罵り合ったり、暴力的な姿を見せたり、生き物をいじめるような残忍性を見せたりしすぎると、少しずつ子供の心にひずみが出てきはじめます」と指摘しているが、SNSではこうした残忍性が野放しにされ、子供の心のひずみが簡単に引き起こされるようになったと言える。
想像力を育むあるおもちゃの大切さ
この映画の救いは、最終的にボニーが再びおもちゃと遊ぶことで、自分の想像力をはばたかせることの幸せを改めて実感し、その喜びを友だちと共有し合えるようになっていくところである。
おもちゃには、それを作った人々の、子供の幸せを願う気持ちが込められており、その"祈り"にも似た思いが、子供を健やかな想像の世界へと誘うということなのだろう。
大川総裁は『人の温もりの経済学』の中で、製品に思いを込めることの大切さについて次のように指摘している。
「『人が付加価値を付ける』『心を込めてつくったものが値打ちを持つ』という考え方の経済学が成り立つかどうか。このあたりを求めなければいけないと思います。
『人の温もりの経済学』は、言葉を換えて言うとするならば、『人間の顔をした経済学』ということです。『その経済学は人間の顔をしていますか』というところなのです。そのあたりを忘れないことが大事だと思います」(『人の温もりの経済学』)
子供のタブレット型玩具の長時間使用という新しい危機の中で、心を育むおもちゃの尊さを描いた本作品は、デジタル社会における"譲ってはいけない一線"について、考えるヒント与えてくれるのではないだろうか。
『トイ・ストーリー5』
- 【公開日】
- 全国公開中
- 【スタッフ】
- 監督:アンドリュー・スタントン 共同監督:ケナ・ハリス
- 【配給等】
- 配給:ディズニー
- 【その他】
- 2026年製作 | 102分 | アメリカ
公式サイト https://www.disney.co.jp/movie/toy5
【関連書籍】
いずれも大川隆法著 幸福の科学出版


























