《ニュース》

米オレゴン州で、恋人を殺害した罪などで懲役35年の刑に服している男性が、「性自認が女性に変わった」と主張して女性刑務所への移送を求めた裁判で、賠償金29万5000ドル(約4700万円)を獲得しました(23日付米FOXニュースデジタル等)。

《詳細》

2014年に恋人の女性を惨殺し、さらに刑務所の同房者に対する暴行罪や覚醒剤を製造した罪で、計35年の懲役刑を受けているゼラ・ローラ・ゾンビ受刑者(41歳)は、収監後の2020年にトランスジェンダーであることを自認しはじめ、ホルモン治療を開始しました。その後、身体的には男性であるものの、法的文書上の氏名と性別表記を女性に変更しました。

ゾンビ受刑者は2021年、女性刑務所への移送を求めてオレゴン州を相手に訴訟を起こしました。訴状では、刑務所職員や他の受刑者から男性名で呼ばれるなどの嫌がらせによって、精神的・心理的虐待を受けたと主張。特に、同じく「女性に対する暴力」で服役中の同房者から、望まないアナルセックスを強要されたといい、その後、別々の部屋になったものの、「彼と同じ独房に入れられたことは私の権利を侵害した」と述べました。

これに対しオレゴン州の連邦地裁は、ゾンビ受刑者が「性的暴行を含む虐待を繰り返し受けていた可能性が高い」とし、2021年9月に女性刑務所への移送を命じました。しかし、移送の3カ月後には男性刑務所に戻されています。

2023年にゾンビ受刑者が再度起こした訴訟では、「性犯罪者のいない個室に収容すること」、「そして最終的には女性刑務所に戻すこと」を要求。同受刑者は「脆弱な立場にある者」という認定を受け、完全個室の提供や、女性職員による身体検査を受けるなどの待遇を受けました。

また、当初は女性刑務所への再移送は却下されていたものの、2025年4月からは女性刑務所に収監されています。そして2026年4月20日、裁判所はオレゴン州に対し、和解金としてゾンビ受刑者へ29万5000ドルを支払うことを命じました。

州立刑務所を管理するオレゴン州矯正局はゾンビ受刑者との和解について、「私たちは、性的虐待やハラスメントに対するゼロトレランス政策に基づき、拘留中の人々の保護という義務を全うします。予防は引き続き最優先事項であり、オレゴン州の矯正施設における性的暴行や不正行為の根絶に尽力します」としています(23日付米KOINニュース)。

《どう見るか》