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今年のノーベル賞で、日本から2人の学者が受賞したことを受け、「なぜ中国は自然科学の分野でノーベル賞を取れないのか」という議論が再燃しています。
《詳細》
今年のノーベル賞では、大阪大学の坂口志文教授が生理学・医学賞を、京都大学の北川進教授が化学賞を、それぞれ受賞しました。
中国ではかねてより、「なぜ中国は日本に比べてノーベル賞を受賞する科学者が少ないのか」という論争がなされてきました。近年、人工知能(AI)をはじめとしたさまざまな分野で日本をリードしている自信が深まっているなか、今回の受賞はネットなどにおいて、とりわけ波紋を呼んでいます。
確かに中国は世界で最も人口が多く、人材の母数が多いこともあり、例えばオリンピックでは金メダルの獲得数は世界第二位です。
一方、科学分野でのノーベル賞は、2015年に生理学・医学賞を受賞した屠ユウユウ氏の一人のみ(中国人として初受賞とされる楊振寧氏は当時、中華民国籍で、米国で研究を行っていた)。対する日本はこれまでに、30人に迫る科学者がノーベル賞を受賞しています。
中国のネット上では「日本は30年を失っていたんじゃなかったのか?」「日本はやはりすごい」「ちょっと悔しい」という声が出る一方で、「ノーベル賞は西側の賞であり偏見に満ちている」「ノーベル賞は過去数十年の研究状況を示すものであり、現在の科学力を示すものではない」といったコメントも見られるといいます。
こうした議論を受けて、さまざまな中国語メディアが、この「中国・ノーベル賞コンプレックス」を論評。「中国の科学研究論文の数は世界一なのにノーベル賞とは無縁、原因はどこに?」(RFI中国語版)、「中国人科学者はまたしてもノーベル賞に無縁、中国の世論はどう見ているのか?」(聯合早報)、「中国はなぜ長きにわたり科学分野のノーベル賞を取れないのか」(ドイチェ・ヴェレ中国語版)といった記事が掲載されています。
確かに、「科学的実績から受賞までの時差」という側面はあるものの、日本は昭和期からノーベル賞受賞者を続々輩出してきたことや、さまざまな分野で中国が科学的躍進を続けているように見えることなどから考えると、確かに同国の賞の少なさは目立ちます。
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