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ロシアが一度撤退したウクライナ北東部のハリコフ州を再攻勢し、ウクライナ軍の消耗を強いています。ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、「極めて困難」だが制御下にあると危機感を露わにしました。

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ロシア軍は人手不足などにより、2022年秋にハリコフ州から撤退し、部分的動員を発令して人員を増員しました。その後、激戦地域は東部と南部に移り、ハリコフでは激しい戦闘が起きていませんでした。

ウクライナはハリコフ周辺の防衛線を構築すると発信していたにもかかわらず、ロシア軍の脅威を過小評価したためか、防衛線の規模は明らかに他の戦線より劣っています。陣地を構築する資金が汚職に消えたという疑惑も浮上するなど、ロシア軍によるハリコフ急襲を受け、同地域を守るウクライナ軍司令官が5月13日に更迭されています。

さらにアメリカがウクライナ支援を継続するとはいえ、守勢を強いられているウクライナ軍は、人手不足や長期の戦闘による兵士の疲弊に直面しており、現地メディア「ウクラインスカ・プラウダ」によると、これから追加動員を行っても、若年人口が少ないために10万人程度しか集まらないといいます。

ウクライナ軍は少ない予備戦力をハリコフなどに送り、抵抗しています。同国の国防省情報総局のブダノフ局長は、米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「我々の部隊はすべてここ(ハリコフ)か、(東部の)チャシブヤールにいる。持てるものはすべて使ったし、残念ながら他の予備戦力はいないんだ」と珍しく苦境を語り、動揺が走っています。

戦力を増強しているロシア軍がハリコフを攻勢する狙いは、(1)ロシアとの国境線沿いに緩衝地帯を設ける、(2)東部に展開するウクライナ軍の戦力を吸収し、東部の制圧を進める、(3)ウクライナ第2の都市であるハリコフ市への圧力を強化する、の3点が主に指摘されています。

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