2024年4月号記事

INTERVIEW

台湾侵略するのは狂気の沙汰

1989年6月の天安門事件以降、亡命先のカナダで、中国の民主化のために活動し続けてきた女性は、世界の情勢をどう見るか。

カナダ在住の中国民主活動家

盛 雪

盛雪
(せい せつ Sheng Xue)1989年6月の天安門事件後にカナダに亡命。ジャーナリスト、作家として数々の賞を受賞。中国の民主化団体としては世界最大級の「民主中國陣線」の元代表。現在は、「民主中國陣線」「カナダ反共連盟」の副主席を務める。

──今年1月の台湾総統選で、対中強硬路線の民進党・頼清徳氏が、次期総統に選出されました。

盛雪氏(以下、盛): これは民主主義の勝利でしょう。ただ、民進党は総統選では勝利しましたが、立法院(国会)では過半数を維持できませんでした。人々が最大野党・国民党のバラマキ政策になびいてしまったからです。その点は残念でした。

中国共産党は、台湾に民主主義が根づくことをとても恐れています。そのため1990年代から台湾の選挙に介入し、"脅し"をかけてきました。しかし台湾を変えることはできませんでした。今や台湾は、民主主義の完成度においてアジアナンバーワンと言えます。

台湾の人々は、中国の介入をそれほど恐れていません。私は1月5日から15日まで訪台し、若者に話を聞きました。彼らは「中国政府が何をしてこようと関係ない。自分たちの生き方をしてリーダーを選び、民主主義を続ける」と言っていました。