2024年2月号記事

なぜインドは「独自外交」を貫けるのか

世界を二分化する戦いが展開する中、終わりのない世界大戦を避けるにはインドの独自外交を理解する必要がある。

世界に戦火が広がる中、各国の外交は多極化を続けている。

大川隆法・幸福の科学総裁は習近平国家主席の就任前から、唯物論的全体主義国家・中国が世界的な脅威になると警告。自由化・民主化を進めるべきだと訴え、その実現には「包囲網」が必要であると指摘してきた。

2022年1月には、完全な無神論・唯物論国家は中国と北朝鮮ぐらいしかないため、「神仏への信仰心を持っている国家 対 無神論・唯物論国家」という対立であれば勝てる可能性があると説いた(*1)。具体的には、大国ロシアを西側に引き込み中露を分断する戦略だ。実際プーチン露大統領は、西側陣営に加わる意志を繰り返し示してきた。

しかしバイデン米大統領は、「民主主義国家 対 専制国家」の構図を掲げロシアを敵視。実質的にウクライナを北大西洋条約機構(NATO)に組み込みロシアを追い込んだ上で、ウクライナを戦場にしてロシア弱体化を狙った。民主主義を掲げながら他国を罠にかけるようなやり方(*2)は"反米網"結成を促し、中露合体に続いて北朝鮮やイランも連携を強化。ハマスの急襲で中東でも戦闘が勃発し、アジア、ユーラシア、中東の「三正面作戦」は厳しさを増す一方だ。

(*1)「『メシアの法』講義」
(*2)アメリカはウクライナに軍事訓練・武器供与を行っており、ウクライナ戦争勃発直前には、ロシアによる侵攻の可能性を察知していたにもかかわらず、ロシアが侵攻しても米軍のウクライナ派遣は「検討していない」とバイデン氏が発言するなど、侵攻を誘発するかのような動きがあった。

 

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世界を二分化する戦い

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