2023年10月号記事
ニッポンの新常識
軍事学入門 39
日本とまるで違う中国の安全保障観
世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」をお届けする。
慶應義塾大学法学部教授
安田 淳
(やすだ・じゅん) 1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得満期退学。防衛庁防衛研究所教官などを経て現職。専門は、現代中国の安全保障。編著書は『台湾をめぐる安全保障』(慶應義塾大学出版会)など。
中国の脅威を考える上で、「彼らが何を考えているかを知る」ことは非常に重要です。特に、日本と中国の安全保障観は水と油のように異なっており、互いに理解できないということを押さえる必要があります。多くの人々が主張するような「話し合えば分かり合える相手」ではないのです。