《ニュース》

トランプ前大統領が2021年1月6日の連邦議会襲撃事件に関与した疑いを捜査していたジャック・スミス特別検察官の事務所が、2023年1月半ば、トランプ氏のツイッター(現X)アカウントに対する捜索令状を取得していたことが分かりました。

首都ワシントンの連邦控訴裁判所が8月9日、関連する法廷文書を公開したことで明らかになりました。

《詳細》

同裁判所が公開した文書には、「連邦地裁は刑事事件で捜索令状を発行し、ツイッター社(現X社)に対し、ツイッター・アカウント『@realDonaldTrump』に関連する情報を提出するよう指示した」と述べられています。

連邦地裁は、このことをトランプ氏に通知すれば、証拠を隠滅し、行動パターンを変え、共謀者に知らせる機会を与えることになり、捜査を著しく危険にさらすと信じるに足る合理的な理由があったとし、「捜索令状の存在や内容をいかなる人物に対しても伝えることを禁止する」と、ツイッター社に命じていました。

ツイッター社は、機密保持命令は言論の自由を侵害し、合衆国憲法修正第一条に違反するとして、開示を拒否しました。しかし、最終的に、地裁の命令期限から3日過ぎた2月9日、令状に従ってデータを提供しました。

地裁は開示が遅れたとして、同社に35万ドル(約5000万円)の罰金を科しました。ツイッター社は罰金の支払いに異議を申し立てて控訴したものの、控訴裁は7月、地裁の判決を支持する判断を下しています。

トランプ氏は8月9日、SNS「トゥルース・ソーシャル」に、「いかさまジョー・バイデンの司法省が、私の公民権に対するこの重大な『襲撃』について私に知らせず、密かに私のツイッター・アカウントを襲っていた」と強く非難。

「私の政敵は、私の大統領選キャンペーンを侵害しようと常軌を逸している。このようなことはこれまで起きたことはない。(言論の自由を保障する)合衆国憲法修正第一条はまだ存在するのか? (中略)これはアメリカにとって暗黒の日々だ!」と訴えました。

米メディアは、検察側は入手したデータから、実際には投稿されなかった下書きの内容や、トランプ氏以外の人物がアカウントにアクセスしていたかなどの情報が得られる可能性があるとしています。

《どう見るか》