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オランダのルッテ首相は19日、ハーグの国立公文図書館で演説し、オランダが過去250年間にわたり奴隷制に関与してきたことについて、「人道に対する罪」だと認め、政府を代表して正式に謝罪しました。

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オランダは16~17世紀、世界で最も裕福な国の一つでした。そしてその経済成長は、南米スリナムやカリブ海のキュラソー島、インドネシアなどの植民地で行った奴隷貿易に大きく依存していました。

オランダでは来年、奴隷制廃止から150年の節目を迎えます。国内ではすでに、奴隷貿易に関わった首都アムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒトといった大都市が公式に謝罪。また、奴隷制が及ぼした影響について調査する独立委員会が昨年7月に報告書を発表しており、大西洋奴隷貿易は人道に対する罪であるとして、政府に公式に謝罪するよう求めていました。

ルッテ氏は演説で、60万人以上のアフリカの男性、女性、子供がオランダの奴隷商人によって主にスリナムに「家畜のように」運ばれたことについて説明。「歴史はしばしば醜く、苦痛で、全く恥ずべきことでさえある」「オランダ政府は奴隷にされた人々と子孫が受けた甚大な苦しみに責任を負う」などと語りました。

奴隷制の問題に関する教育などのため、2億ユーロ(約290億円)の基金を設立する予定だといいます。

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